小規模高齢農家つなぐ集荷車  - JA山口県

集荷場所に冷蔵庫 来店者40万人達成

 JA山口県岩国統括本部は2018年3月、岩国市で初となるJA直営の農産物直売所「FAM’sキッチンいわくに」を誕生させた。
 同直売所は、岩国市の中心部から車で約20分の位置にあり、消費者にとっては好立地にある。しかし、管内の農家は中山間部に散在している上、小規模の高齢農家が多く、直売所に直接持ち込んで出荷することは困難。そこで、少しでも多くの農家に参加してもらい、少量でも気軽に出荷してもらえるように、16年の農業所得増大・地域活性化応援プログラムや共済連の補助金を活用して、集荷用トラック(保冷車)を2台購入した。
 また、管内を北と南の二つのルートに分け、野菜や加工品を1コンテナ100円(税別)という安価な手数料で集荷を行う取り組みの導入と、集荷場所に冷蔵庫を設置したことにより、自由な時間に出荷が可能となるようにした。
 現在、集荷利用者は出荷者約350人のうち4割を占め、品ぞろえが充実している。このためオープン当初と比べると利用者数は年々増加傾向にあり、20年2月末に来店者40万人を見込んでいたが、予定より1カ月早い達成となった。
 集荷の利用者は「自宅では食べきれず本来なら捨ててしまうが、集荷に来てくれるから出荷することができる。たまに直売所を訪れ、自分の作った野菜が売れているのを見ると、とてもうれしくやりがいを感じる」と話す。(日本農業新聞2020年3月18日付県版山口より)