世界に誇れるワインへ 原料生産で協定 - JAつがる弘前

弘前市、サントリーと生産体制構築

 JAつがる弘前と弘前市、サントリーワインインターナショナル(株)(以下、SWI)は9月30日、弘前市役所で、「津軽産ワインぶどうの生産拡大に関する協定締結式」を開いた。3者が連携し、津軽産ワインブドウの生産拡大と知名度向上、高品質で安定的な生産体制構築、津軽地域の産業や経済の活性化につなげる。
 協定の期間は10年間。3者の包括的な連携と協力で実施する。栽培面積は現在の5倍となる約10ヘクタール、ワイン出荷量は現在の1000箱から5000~6000箱(1箱750ミリリットル12本)を目指す。
 JAは生産指導体系の構築、津軽産ワインブドウの取り組み開始にかかる初期コストと未収益期間の支援を行う。
 JAの工藤文明組合長は「当JA管内では、人口減少と高齢化、耕作放棄地の増加などさまざまな問題を抱えている。リンゴの複合品目として醸造用ブドウの作付け拡大を図り、津軽地域の農業活性化につなげたい。また、観光産業の一助になれば」と期待を込めた。
 

日本ワインコンクール金賞の実績

 締結式終了後には、弘前市兼平と百沢にある2カ所の園地を視察。生産者の一人は「努力して良質なブドウを生産し、飲んだ人が喜んでくれることが何よりうれしい。世界に誇れる醸造用ブドウを作っていきたい」と意気込みを話した。
 この地域で作付けされる「ソーヴィニヨン・ブラン」を醸造して作ったワイン「サントリージャパンプレミアム津軽産ソーヴィニヨン・ブラン」は、2016年から3年連続で、日本ワインコンクールで金賞を受賞している。(日本農業新聞2020年10月3日付ワイド2東北より)