サトイモ分離機設置 「開成弥一芋研」  - JAかながわ西湘

生産拡大へ効率作業

 JAかながわ西湘は「開成弥一芋研究会」にサトイモ分離機を設置した。9月中旬には開成町の同研究会の畑で分離機の説明会を開き、会員15人が参加。この分離機を使うことで出荷作業が向上でき、生産拡大にもつながると期待している。
 サトイモ栽培は機械化が難しく、手作業に依存することが多いため、同研究会の会員らは、後継者不足や生産量が増えないなどの問題を抱えており、何か機械化できないかとJAに相談。JA共済の地域貢献活動を活用して分離機を設置した。
 動力はガソリンで、ゴム製の押圧板がサトイモの尻部全面を押圧すると親芋が打抜孔に押し出されながら子芋が剥がれ分離する仕組み。手で分離させる作業時間が4分の1程度に軽減される。
 「開成弥一芋」は甘くねっとりした食感が特徴。戦後栽培が衰退したが2011年に開成町の農家が復活させ「かながわブランド」「開成町ブランド」にも認定されている。現在は研究会メンバー27人が合計1ヘクタールの畑で約15トンを栽培。6日から県内のイオングループへ出荷され32店舗で販売される。
 武藤輝夫会長は「分離機導入で作業の効率化が図れて生産量の拡大にもつながる。復活させた弥一芋を10年後も残せるよう栽培農家を増やしていきたい」と意欲を話した。(日本農業新聞2020年10月3日付県版神奈川より)