「実りつくし」多収米作付け拡大 - JAふくおか八女

農業者所得増大へ

 JAふくおか八女管内の筑後市では、県が育成した中食・外食向け多収水稲品種「実りつくし」の作付け拡大に乗り出している。管内では、2019年から同品種の栽培を本格的に開始。20年産は約80ヘクタールまで作付面積を増やした。農業者の所得増大を目指す。
 

中食・外食向けに作付け拡大

 「実りつくし」は県農林業総合試験場が開発した稲。夏の暑さに強く、収量が多い。主に県内のロイヤルホストなど飲食店で使われている。JAが、消費者や実需者から需要が高まっている中食・外食米の同品種に注目。作付けを拡大した。消費者ニーズを重視するマーケットインに即した品種の作付け誘導や産地指定契約の拡大を念頭に置く。
 高温耐性もあるため、近年の高温な気候条件でも、安定した収量・品質が見込める。今年産は、7月の豪雨・長雨、9月の台風で生育が心配された。だが、県事業を活用して同品種に適した施肥、中干しなどの栽培管理を徹底。収量、品質ともに作付けを始めて以降、最高の仕上がりとなっている。
 県でも同品種を「福岡の米」として消費者にPRするため、統一マークを作るなど消費拡大に積極的だ。JA担当職員は「2度の台風でも倒伏せず高品質にできた。今後のJA産米を支える主力品種の一つとして期待している」と話した。(日本農業新聞2020年10月29日ワイド1九州より)