移動販売車 地域に定着 - JAみえきた

国際交流の場にも

 2019年4月に運行を始めた三重県JAみえきたの移動販売車「みえきたん号」の利用者が増えている。供給高は前年同期比で約6割増、平均客単価も3割増と好調だ。買い物弱者の支援にとどまらず、地域コミュニティー形成や高齢者の見守り活動など多様な役割を発揮する。地域で働く外国人の利用も増えるなど、国際交流の場にもなっている。

 「みえきたん号」はいなべ市内の中山間地域を中心に巡回する。当初は、週に5コース計28カ所を巡回していたが、運行地域や近隣地域から届く多くの要望に応えて、現在は42カ所に増やした。出店場所は地域の集会場や公園、寺社、地域住民の家の軒先などさまざまだ。

 「みえきたん号」の販売時間が近づくと、待ち合わせていたかのように、そろいの買い物かごを持ったなじみの顔が集まる。普段は静かな場所に週1度、つかの間のにぎわいをもたらしている。

 昨年に新たな販売場所として新設した工場の駐車場では、工場で働くベトナム人約10人でにぎわう。毎週買い物に来るという同国ハノイ出身のティエンさん(26)は、「ハノイにも移動販売があり、懐かしい気持ちになれる。たくさん商品がそろっていてとても助かっている。買った野菜でベトナム料理を作るつもり」と話した。

 同JA直販課移動販売担当の高木利之さんは「会話はもっぱら、スマートフォンの翻訳アプリ頼み。あいさつだけはベトナム語でできるようになった。『みえきたん号』で国際交流にも貢献できれば」と話し、笑顔であいさつを交わしていた。(みえきた)
(日本農業新聞2021年1月23日付ワイド1東海より)