土壌診断で農家の力に - JAはだの

独自サポート30年以上

神奈川県秦野市のJAはだのは、独自の土壌診断を実施して農家をサポートしている。田畑やハウス内で採取した土の提出を受け、電気伝導度(EC)や水素イオン濃度(pH)を調査。栽培品目に適した土壌に改良するための施肥管理などを指導し、作物の生産性向上や経費節減につなげている。

 JAは、30年以上前から土壌診断を重要視し、力を入れてきた。1986年には、本所敷地内に建設した農業団地センターに「土壌・作物および病害虫診断室」を設置。土壌診断に必要なECメーターやpH計、振とう器などの設備をそろえた。

 生産組合の他、業種別部会を対象とした無料診断を定期的に実施。JAが診断することですぐに結果の回答ができるため、農家から好評を得ている。

 1月上旬の3日間には、営農課の松下一興園芸技術顧問が、診断室で生産組合から集まった146袋の土を調査。土に不純物を取り除いた純水を入れ、振とう器でかき混ぜてから、ECとpHを計測した。

 JAは、診断用の土をJA全農の「全国土壌分析センター」にも送り、窒素・リン酸・カリ・マグネシウムなどさらに詳しい成分を調査。土壌改良に適した肥料などの処方箋を付けて、農家にフィードバックする。

 松下顧問は「診断結果を基に土壌改良することで、病気の減少や収量の増加につながる。適切な施肥量が分かると経費節減にもなるため、多くの農家に利用してもらいたい」と話した。
(日本農業新聞2021年1月26日付ワイド2首都圏より)