都市農業の将来探る - JAぎふ

市街化区域内の農地保全へ

 JAぎふは2月中旬、岐阜市のみんなの森・ぎふメディアコスモスで「岐阜市都市農業の展望を考える講演会」を開いた。市農業委員会や行政、JAの役職員ら約90人が出席。全国でも有数の市街化区域内農地を有する同市の現状と課題を共有し、生産者、JA、行政が一体となって都市農業の今後を考えていくきっかけとした。

 同市の市街化区域内農地面積は1048ヘクタール(2019年1月1日時点)で、岡山県倉敷市に次いで全国2番目。だが、虫食い状に宅地開発が進んだことで小規模農地が分散し、大規模化や新規就農は難しく、農家の高齢化に伴い耕作放棄地の増加が懸念されている。

 同JAは、現状や課題を共有しようと講演会を企画。

 行政ではなく、JAが中心となって都市農業の問題解決を図ろうとする取り組みは、全国的にも珍しいという。

 講演会では、農水省農村振興局農村政策部と国土交通省都市局都市計画課の担当者が、それぞれの立場から全国や同市の都市農業の現状を説明した。都市農業の継続に向けた制度や法律の活用を呼び掛けるとともに、「グリーンインフラ」の考え方を紹介した。

 JAの岩佐哲司専務は「市街地の中で安心して農業ができる地域となるよう行政と農業者、JAが一体となって連携できれば」とあいさつした。
(2021年2月26日付 日本農業新聞ワイド2東海より)