高齢農家のビニールハウスの被覆 JA職員有志が手助け  - JAみなみ筑後

「あぐり支援隊」結成し7年目、田植え・庭先集荷なども支援

 福岡県のJAみなみ筑後は8月下旬、職員らが主に高齢農業者のビニールハウス施設被覆作業の支援を行う「あぐり支援隊」の活動をスタートさせた。2022年度の第1回は、JAなす部会員の向優さんのハウスで行い、全部署から集まった17人が参加。パイプハウスの天井ビニール張りやハウスバンド締め、妻面のビニペット留めなどの作業を行った。

 あぐり支援隊は、農業者の高齢化が進み高所作業の危険性が高まる中、生産者からビニール被覆作業支援の要請を受け、15年にJA役職員らが立ち上げた。活動を通して、農業経営の維持や地域の活性化につなげる。

 当初は営農部・経済部の職員を中心に構成していたが、現在は全部署から有志職員が集っている。発足年度に7件だった依頼は年々増加。21年度は33件に上り、22年度はさらに多い依頼を見込む。

 7年目を迎える中で、部会員の減少に歯止めがかかったという報告もあった。支援隊の効果が現れ、地域の期待は高まっている。ビニール被覆支援の他、田植え時の苗箱渡しを行う田植え支援、JAまで米を出荷できない農家に出向く庭先集荷支援も行っている。

 これらの活動を通じて、単身農業者や女性の高齢農業者の農業経営を維持発展させ、地域活性化や、組合員とJA役職員の信頼関係を一層深めることを目指す。JAは今後も、組合員との連携を強化し、安全・安心な農産物の生産、販売に力を入れ、JA自己改革を進める。


<2022年 9月 9 (金)付  日本農業新聞  ワイド2九州>