もみ殻燻炭 試験散布-JA新みやぎ

水混ぜ風の影響抑制

 JA新みやぎ営農部米穀課は6月30日、大崎市鹿島台の生産者の農地40アールに、水を混ぜ合わせたもみ殻燻炭(くんたん)を試験散布した。

 土壌環境の改善や酸度矯正などの効果が期待できることから、実用化に向けて検討してきた。しかし、一般的な肥料と比べて比重が軽く、通常の機械散布では風で巻き上がることが課題だった。

 今回の試験では、もみ殻燻炭500リットルに、水30リットルを混ぜ合わせてコンポキャスターで散布。水分によりまとまりが出たことで、風の影響を抑えることに成功した。

 JAは、カントリーエレベーターなどで排出されるもみ殻の処理方法として、もみ殻を燻炭にした「バイオ炭」の有効活用について検討してきた。

 今回の試験結果を基に、水田におけるもみ殻燻炭の実用化に向けてさらに検討を重ねていく。

 担当職員は「もみ殻燻炭の利用は資源の地域循環型農業を実現し、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも産地PRになる。またバイオ炭の農地施用では、J―クレジット制度へ申請することで生産者の収入につなげることも可能」と期待する。


<2023年7月13日(木)付け 日本農業新聞 ワイド2東北>