カーボンニュートラル推進-神奈川・JAあつぎ

EV車導入で環境に配慮

 JAあつぎは、二酸化炭素(CO2)の排出を抑えて環境に配慮した事業活動につなげるため、厚木市のJA本所に電気自動車(EV)を初導入した。

 温室効果ガスに起因する異常気象や生物多様性の喪失、水不足といった環境問題は、農作物を生産する組合員、JAに直接関係している。第一の原因とされるCO2排出量の削減は喫緊の課題だ。

 厚木市は、2021年2月に「ゼロカーボンシティー」を表明。50年に温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させるカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを進める。

 今回導入したEVは4人乗りで、一度の満充電で約100キロの走行が可能。災害時には非常用電源としても活用できる。

 JAの大矢和人専務は「気候変動は農業に大きな影響を及ぼす。電気自動車以外にもできることを考えていきたい」と話した。

 JAは、EVの導入効果や利便性などを検証する。農業での生分解性マルチの利用促進や直売所のレジ袋の削減、住宅への太陽光発電システムの導入推進など、さまざまな角度からアプローチをしていく構えだ。

 同JAは、市内の企業や大学などで組織する「厚木市カーボンニュートラル推進ネットワーク」に参加している。昨年11月には、市の社会実験「あつぎノーマイカデー」に参画。自家用車での出勤を控えて公共交通の利用を促すなど、地域と連携して環境に優しい社会づくりを進める。


<2023年8月3日(木) 日本農業新聞 ワイド2首都圏>