兵庫県
有機栽培米を学校給食で提供-兵庫・JAたじま
27年度からの全面転換を目指す
JAたじまは、豊岡市と協力し、市内の全小・中学校の学校給食で提供する米を全量有機栽培米に転換する計画を進めている。取り組み初年度の2022年度は1カ月だけの提供となったが、24年度は生産量も増え、10月から約4カ月間提供する見通しだ。豊岡市とJAは、生産者が取り組みやすい環境を整え、27年度からの全面転換を目指している。
給食で提供するのは、農薬の使用を制限するなど環境に優しい栽培方法を取るJAブランド米「コウノトリ育むお米」。品種は多収で良食味の「つきあかり」を栽培している。24年度は市内の生産者12戸が約37トンを生産した。
一方、一年を通じて有機栽培米を提供するには90トンが必要で、生産拡大には農家への助成や作業の負担軽減が欠かせない。豊岡市は24年度から、学校給食用の有機栽培米に限り、作付面積10アール当たり2万円を助成。JAは、有機栽培で手間がかかる除草作業をJAを通じて外部に委託する事業を24年度から始めている。
豊岡市では、12月8日の「有機農業の日」にちなんで、6日に市内の小・中学校で市内産有機農産物を使った学校給食を提供した。この日、同米を生産している知見集落営農組合の生産者3人や関係者らが、豊岡市立三方小学校5年生約20人と、給食を一緒に食べて交流した。児童からは「粒が大きくて、甘くておいしい」と好評だった。
同組合の中西正博組合長は「学校給食用に栽培すると聞いて、昨年から生産し始めた。子どもたちに、安全・安心なおいしいお米を食べてもらいたい」と話した。
<2025年1月8日(水) 日本農業新聞 ワイド1近畿>
