九州北部豪雨 改良復旧農地の整備を支援 - 福岡・JA筑前あさくら

ヒマワリで土壌改善 緑肥で農と地域を元気に

 JA筑前あさくらは、九州北部豪雨で大きな被害を受けた農家の早期営農再開を支援するファーム事業を展開している。改良復旧農地は豪雨による冠水や土砂流入などで地盤が固くなり、土壌改善が課題だ。営農支援課はその解決へ、緑肥による土壌改良試験を実施。10月上旬、朝倉市の次期ファーム事業候補地で、緑肥となるヒマワリの種をまいた。

 地力回復を目的にヒマワリの種をまいたのは、松末と林田の改良復旧農地2カ所。同課はファーム事業候補地で、これまでも緑肥植物を試験してきた。イタリアンライグラスに続き、セスバニアを植え、そのまま土壌にすき込むことで有機物や肥料成分を補い、土壌成分の改善を確認した。

 加えて、根を深く張るヒマワリで、保水性や浸水性の向上といった物理性の改善に役立てる。開花後は畑にすき込み、微生物による分解を促進させ、果樹栽培に最適な土づくりを進める。

 緑肥として地力の回復にもつながる他、花が咲くことで明るい景観がつくられて地域も活性化される。JAは改良復旧農地や遊休農地にヒマワリの種をまく取り組みを広げ、持続可能な農業の確立を目指す考えだ。

 同課の秦隆浩課長は「復旧した農地を荒らすことなく、次の作付けにつなげたい。緑肥で農地を守りながら地域を元気にしたい」と笑顔で話した。

<2025年10月17(金) 日本農業新聞 朝刊 ワイド2九州>