准組合員モニターの農業体験への取り組み - 福岡・JA粕屋

農業へのファンと新規就農者の拡大を目指す

 JA粕屋は、新たに准組合員モニター農業体験に取り組む。管内は福岡市に隣接して住宅地が広がる。農業と関わりの少ないサラリーマン世帯も多い。准組合員にJA事業への理解を深めて応援団となってもらい、ファン拡大を図ることが目的だ。

 体験は2025年度に新設した地域ふれあい課が手がける。管内での農業の維持・発展や課題解決を主な業務とする。

 これまで同課は、農業経験のない職員のための学びの場「かすや満喫CLUB」を設置。スイートコーンを栽培し、アライグマの獣害を受けながらも販売するなどしてきた。

 第1弾は10月、古賀市の岩隈農園でミカン狩りを行った。16組43人の参加者は、園地で試食して「甘い」を連発。JAかんきつ選果場、カントリーエレベーターも見学した。参加者から「普段、身近だが訪ねる機会のない施設を知ることができた」と好評だった。

 第2弾は11月中旬、粕屋町でサツマイモの収穫を体験した。第1弾を上回る18組53人に加え、宇美町の障害者支援施設から7人が参加した。年配夫婦から子ども連れまで、慣れない手つきで収穫を体験し昼食後、餅つきにも挑戦。参加者は終始、笑顔を見せていた。

 同課は、収穫体験に当たり、農業の大切さを身近に感じてもらうことを主な目的とした。いずれも共感を得られたことに加え「JAをより身近に感じた」という声が聞かれた。

 JAは近年、本所周辺の遊休農地を借りている。「野菜を育てたい」という人に農業体験農園として用意し、農業に興味を持ってもらうことが目的だ。

 体験農園を利用した野菜作りへ、多くの参加者が興味を持っていた。JAは将来、本格的な就農を目指す人を支援していきたい考えだ。新規就農者を育て、遊休農地の有効利用につなげることを視野に入れる。

<2025年11月23(日) 日本農業新聞 朝刊 エリア九州>