組合員訪問活動 - JA紀南

「対話運動」実践中

 政府による農協改革集中推進期間の期限が2019年5月に迫る中、JAグループは「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」を柱とした「JA自己改革」を進めている。その取り組みを伝えようと、全国JAが一斉に「組合員訪問活動」を行っており、JA紀南も昨年10月から活動している。訪問時には自己改革への評価と総合事業や准組合員制度の必要性を尋ねるアンケート協力をお願いしている。活動の原点は組合員に向き合って声を聴く「対話運動」である。

原点は向き合っての「対話」

 JA紀南の2018年12月末の組合員数は5万3731人。内訳は正組合員1万290人、准組合員4万3441人。訪問活動は部門専門職員を含む職員414人が取り組む。期間は2019年12月末まで。
 職員は担当部門も経験年数も様々であり、突然の訪問にビックリする組合員もいるが、職員の説明に耳を傾けていただいている。協力をお願いするアンケートの項目は、JAの総合事業、農業関連事業、自己改革の認知度、准組合員制度に関することなどだ。
 特に「JAの総合事業」については、JA紀南が将来にわたり組合員や地域住民に必要とされる組織であるため、政府が農協改革で提起した信用事業譲渡や代理店化を進めるのではなく、信用・共済や営農各事業を併せもった「総合事業を堅持する」との方向であることを説明している。
 また、JAの特長でもある准組合員制度については、政府は「農協法改正の5年後(2021年3月末)までに准組合員の事業利用のあり方を検討する」としており、これに対してJAは「信用・共済、生活・Aコープ事業などにより、地域住民の暮らし面でも役割を果たしたい」との考えから、准組合員を「JAの大切な仲間である」と位置づけていることを伝えている。
 中央支所管内を受け持つ40代の女性職員は「『JA紀南です』と訪ねると快く玄関を開けてくれる。先輩が築き上げてきたJAの信用や安心感はとても大切であり、自己改革を通じJA紀南のファンを一人でも多く増やしたい」と語る。50代の男性職員は「組合員世帯も世代交代が進んでいるので、新しい世代のJAへの理解や参加も一から築き上げていきたい。その意味でも今回の訪問活動は重要なことだ」と話す。

アンケートの回答もお願い

 正組合員で田辺市秋津町の中田善久さんは中央購買センターの購買担当職員の訪問を受けた。中田さんは「JA紀南はファーマーズマーケット紀菜柑やドライフルーツの商品化など、農家が個々ではできないような新しいことに取り組んでくれている」と話す。JAの総合事業については「JAならではの事業形態であり、営農部門では特に指導事業が農家にとって大きな力になっている」と評価する。准組合員制度については「地域の住民が組合員になってくれれば、僕らの農業やJAへの理解促進にもつながるだろう。一緒に地域を盛り上げていければそれは良いことだ」と制度を肯定する。
 JA全中の中家徹会長も就任丸1年を迎えた2018年8月、日本農業新聞の取材に対し「自己改革はこれからが正念場だ。組合員との対話運動に取り組み『改革の見える化』を進めたい」と述べ、訪問活動については「JAは地域になくてはならないとの評価を得たい。評価は組合員の結集力の強化につながる」と期待を示した。
 本田勉組合長は今年1月4日の年始朝礼で「組合員訪問活動は組合員との貴重な対話の機会だ。JAが取り組む自己改革をきちんと伝え、組合員の声を聞いてほしい」と、職員に積極的な取り組みを求めた。
 

JA紀南中央購買センターの職員(左)からJAが取り組む自己改革などの説明を聞き、アンケートに回答する中田善久さん

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