ブドウ産地に未来を 副業から担い手を育成 - 鳥取・JA鳥取いなば

「ぶどう作りでの兼業・副業」をテーマに説明会を開催

 JA鳥取いなば国府支店果実部では、地域産地の維持・発展を目的に、副業からのブドウ栽培参入を支える取り組みを進めている。7月中旬には同支店と鳥取農業改良普及所が連携し「ぶどう作りでの兼業・副業」をテーマとした説明会を開いた。

 ブドウ栽培に関心を持つ7人が参加した。管内で生産している品種と収穫時期などの基礎情報に加え、10アール規模で副業した場合の収支モデルを提示。参加者からは、副業でのブドウ栽培への不安や、作業内容について質問が出た。同部会員が自身の経験に基づき、副業からでも取り組みやすい作業計画や繁忙期のやりくりなど、具体的なイメージが持てるよう説明した。

 同支店管内では、1954年からブドウ栽培に取り組み、82年には販売額1億円を達成する産地に成長した。しかし、生産者数と栽培面積の減少に伴い、生産量は平成初頭をピークに縮小傾向が続いている。同支店と果実部では、2020年に商標登録したブランド「万葉のしずく」を軸とした産地ブランディングや、老朽化したハウス更新への支援、就農相談体制の整備など、産地を守り、次代につなぐための施策に力を入れている。

 今回の説明会を企画したのは、同支店の果実部に所属する部会員たちだ。同果実部では、栽培希望者に対する園地のあっせん・調整をはじめ、若手生産者を対象にした現地指導会や座学研修の開催、「ぶどうの家庭教師」制度による新規生産者へのフォローなど、組織的な支援体制を構築。副業からでも栽培技術を習得し、将来的な専業化も視野に入れられるように支援していく。

 副業でブドウ栽培を始め、現在は専業農家として同産地を支える部会員の岡垣寛志さん(43)は「副業からでもブドウ栽培を始める人が増えれば、部会の維持につながり、結果として産地の維持・拡大にもつながる。国府のブドウを次の世代に引き継ぎたい」と話す。

<2026年8月7(金) 日本農業新聞 朝刊 ワイド2中国四国>