大嘗祭 「仙台白菜」を献上 - JAいしのまき

塩害に負けず 復興の象徴

 宮城県東松島市矢本地区で、JAいしのまきやもと蔬菜組合が手掛けた「仙台白菜」が14、15日に東京都の宮内庁で開く大嘗祭の献上品に選ばれた。同組合の遠藤淳一組合長が宮内庁を訪れ、手塩に掛けた仙台白菜「松島純2号」を全国から選ばれた農作物の一つとして献上した。
 遠藤組合長は「栽培管理が難しいが、みんなで協力して作った農作物が、『皇室献上』という形で評価を頂けてとてもうれしい」と笑顔で話す。
 特に今年は、収穫の時期に台風が来たことから心が折れそうな場面もあった。「苦労した分が報われ、自信につながった」と目頭を熱くする。
 「仙台白菜」は、「松島純2号」「松島新2号」の二つの品種を主力として90年以上続く宮城県の伝統野菜として重宝されてきた。
 葉が柔らかく甘味が強いので食味が良い。市場や消費者からの人気も高かったが、戦後は品種改良をしていないことから病害虫に弱く、栽培管理が難しいなどで生産数が減少した。
 東日本大震災で塩害にあった圃場(ほじょう)で育てられることや、伝統種として残すことで、復興のシンボルにしたいという、地元生産者の強い思いで、8年前に「松島純2号」の栽培を本格化した。(日本農業新聞2019年11月13日付ワイド1東北より)