農業経営事業を強化 - JA晴れの国岡山

事業に位置付け地域と農業守る

 JA晴れの国岡山は、農業振興で地域から必要とされるJAを目指し、農業経営事業を強化する。耕作放棄地が増え、担い手だけでは守れない水田を、JAが引き受ける地域を拡大。2021年度は子会社の運営をJAが受け継ぎ、倉敷市と新見市で約45ヘクタールの米の生産・加工・販売を担い、地域農業に貢献する。

 8JAが合併し、農業振興計画に「地域の農業振興なくしてJAの存在意義なし」と方針を定めた。初年度の通常総代会で規程の承認を受け、農業を本業に位置付けた。

 倉敷市ではJA出資型法人の岡山西アグリサポートの事業を引き継いだ。岡山西統括本部のくらしき東アグリセンターに実施部署と職員5人を配置。20ヘクタールで水稲の晩生品種「アケボノ」を栽培。交付金活用による飼料用米生産の他、直播(ちょくは)栽培やドローン(小型無人飛行機)による病害虫の防除などスマート農業の導入で生産の効率化や低コスト化を進める。

 8月上旬にはドローンの本格運用を前に防除作業を演習した。慣行防除は、乗用管理機を使うが、田が200枚以上に分散しているため、機械の回送、散布時間の短縮が課題だった。ドローン活用で20ヘクタールを2分の1の4日間で済ませられる計画。担当者は「いもち病や紋枯病、ウンカ類を適期に防除し、品質と収量の向上につなげたい」と効果を見込む。

 JAの石我均組合長は「農業経営を事業に位置付けることで、地域と農業を守っていくJAの姿勢を示した。組合員が安心して農業を続けられるよう事業を軌道に乗せたい」と展望する。
(2021年8月24日より  日本農業新聞ワイド2中国四国より)