「元祖」チンゲンサイ産地 次代に  - JA遠州中央

担い手育成へプロジェクト

 1970年代に国内で初めて中国野菜のチンゲンサイを産地化したJA遠州中央は、栽培技術の継承や産地維持を目指そうと、6月から次代の担い手を育成するプロジェクト「元祖チンゲンサイの郷復活大作戦」を始めた。

 プロジェクトには、20代、30代の後継者や新規就農を希望する若手3人が参加している。年明けまでに8回の講義や実習を行い、個人面談でチンゲンサイを学び、受講終了後に就農する予定だ。

 チンゲンサイは、1970年代に磐田市で先進的に生産が始まった。2021年度は、同JA青梗菜(ちんげんさい)部会の部会員34人が、約3ヘクタールのビニールハウスで通年栽培している。

 近年は高齢化や後継者不足で生産者は減少傾向だ。同プロジェクトを通じて、栽培技術の継承や産地維持を目指す。

 9月下旬に行った3回目の講義では、JA職員が土づくりを説明した。土壌分析の結果を基に受講生と面談した。さらに指導役の伊藤初雄部会長のハウスを見学し、施肥やマルチの張り方を学んだ。

 伊藤部会長は「産地の元祖として誇りを持ち、若い人に伝統を引き継いでもらいたい。全力でサポートする」と意気込む。

 新規就農を目指す受講生の岡田滉平さんは「ベテラン農家からさまざまなことを吸収したい」と期待する。

 今後、受講生は育苗や防除、生産管理を学び、定植や収穫作業を体験する。
(2021年10月2日付け  日本農業新聞 ワイド2東海より)