地元もち麦で健康パン 県内ベーカリー集結 - JAみのり

プロジェクトスタート

 JAみのりとマルヤナギ小倉屋、加東市は12月上旬、兵庫県内のベーカリーと連携し、市内産もち麦を使ったパンを普及する「ひょうごもち麦パンプロジェクト」の発足発表会を滝野公民館で開いた。県内のリテールベーカリー8社が参加しており、市内産もち麦で作った健康パンの普及を目指す。

 同市でのもち麦栽培は2017年に開始。市に工場を置く同社に「地元産のもち麦を使った商品を作りたい」という申し出を受け、JA加東営農経済センター管内で試験栽培を始めた。

 同センター管内では、水稲の転作作物としてシロガネコムギを作付けしていた。排水対策や条間の調整など試行錯誤しながら、徐々にシロガネコムギの作付けをもち麦に切り替え、20年産でもち麦に全面転換。21年産は10集落と個人生産者2戸が101ヘクタールで栽培した。

 会場には、同プロジェクトに参加したベーカリーをはじめ関係機関が集まった。マルヤナギ小倉屋の柳本勇治副社長は「加東市の豊かな土壌で育ったもち麦はどこにも負けない。おいしくて健康なパンを毎日食べてもらえたら」と話した。

 現在、参加ベーカリーが試行錯誤を続けさまざまな商品が各店舗に並ぶ。サ・マーシュの西川功晃シェフは「(小麦に比べて)大麦だと膨らみにくく、もっちりとした食感の配合が難しい」と指摘する。

 JAの神澤友重組合長は「さまざまな協力があってもち麦パンは実現した。もち麦生産地のJAとして、品質向上と地域の活性化に努めていきたい」と語った。
(2021年12月21日付け  日本農業新聞 ワイド1近畿より)