2018年6月7日 JA全中定例記者会見(中家会長挨拶)

 関東地方も梅雨に入りましたが、今月は「牛乳月間」でございます。牛乳月間とは、国連食糧農業機関(FAO)が6月1日を「世界牛乳の日」に定めたことに関連して、わが国でも定めているものです。牛乳月間ですので、今日の会見では農協牛乳をご用意しています。

 これまで牛乳の消費量は減少していましたが、平成27年度以降はやや増加傾向に転じています。我々も牛乳の消費拡大をすべく、様々な取り組みを行っていますが、その一つが乳和食(にゅうわしょく)の取り組みです。

 乳和食とは、味噌や醤油などの調味料に牛乳を組み合わせることで、風味を損なわずに減塩することができる料理法です。JAグループは高齢者福祉事業に取り組んでいますが、特に高齢でも元気に過ごしていただくための介護予防に力を入れており、「健康寿命100歳プロジェクト」として展開しています。このプロジェクトでは、減塩が難しい和食でも牛乳を使うことで、減塩が可能になる調理方法として、乳和食を紹介しています。

 JAグループはこうした取り組みを通じて牛乳の消費拡大を図っていますが、一方では酪農家の減少による生産基盤の弱体化も大きな課題です。統計によれば、1日に2軒の酪農家が廃業している計算になります。 今日お配りしている牛乳もそうですが、おいしい牛乳の条件はまず新鮮であることです。わが国の酪農が全国各地で継続され、新鮮な牛乳を安定的に供給できるよう、私達も全国の酪農家をサポートしていきたいと思っています。

 さて、本日の理事会では、来年3月に開催する第28回JA全国大会の大会議案の策定にあたって、基本的な考え方の組織業議案が示され、本格的な検討・協議が始まりました。また、平成31年度の水田農業対策等に関するJAグループの基本的考え方も決定しました。30年産からコメの生産調整の仕組みが大きく変わり、水田フル活用に向けた万全な支援が必要でありますが、需要に応じた生産をしつつ、消費者視点で様々な関係者と連携していくことも必要だと考えています。

 そして、本日の理事会では「食料・農業・地域政策確立に向けたJAグループの政策提案」も決定しました。私達は「農業者の所得増大」、「農業生産の拡大」、「地域の活性化」を基本目標に、JAグループを挙げて創造的自己改革を実践しています。政府が定めた農協改革集中推進期間の期限は1年をすでに切っています。ここで、改めてJAグループが結集して決意を新たにするとともに、我々の考え方を食料・農業・地域政策へ反映していきたいと思っています。

 そこで、本日15時30分から砂防会館にて、与党の政策責任者出席のもと、「平成30年食料・農業・地域政策確立全国大会」を開催する予定にしています。自己改革について改めて認識するとともに、農業者の所得増大には政策支援も必要であることから、私達の要望も伝えていきたいと考えています。本日はよろしくお願いいたします。

以上

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