今年のお正月は、全国的に天候に恵まれ、穏やかに新たな一年を迎えました。本年もよろしくお願いします。一方で、年末からインフルエンザが大流行しております。年始めの多忙な時期、くれぐれもお体に気をつけて、お過ごしください。
令和7年、最初の会見にあたり、「今年の一字」を選びました。今年の一字は「進(しん・すすむ)」にいたしました。この文字には、いくつかの決意や願いを込めています。
まず一つ目は、「物事を『進展』させる年にする」という決意です。現在、我が国農業は、歴史的な転換点を迎えております。令和6年、四半世紀ぶりに「食料・農業・農村基本法」が改正され、令和7年は、この改正基本法に基づく、新たな「基本計画」の策定を通じ、施策の具体化を進めていく極めて重要な年です。あわせて、JAグループは4月に、第30回JA全国大会決議の実践をスタートさせます。組合員・地域とともに、各地域の課題に応じた戦略にもとづき、「食」と「農」を支え、豊かなくらしと活力ある地域社会の実現を目指し、着実な実践を進めていきます。
そして二つ目は、「物事を『前進』させたい」という願いです。全中やJAグループとしても課題は山積ですが、JAグループ各組織、そして組合員とともに前を向いて進んでいきたいという思いです。世界情勢など、大変厳しい状況下であり、ウクライナ情勢や急激な円安により端を発した、あらゆるものの物価高騰は、国民生活を直撃しています。農業に必要な資材価格の高騰・高止まりも、依然として続いております。この難局においても何とか前進し、持続可能な食料生産により、消費者の皆様に安定して食料を届けるため、生産者やJAグループは、あらゆる努力を続けてまいります。あわせて、コスト増加分を販売価格へ反映していかなければならない状況にあることを、「国消国産」をキーメッセージに、消費者や関係者の皆様にご理解いただけるよう、取り組みを強化してまいります。また、令和7年は、国連が定めた2回目の「国際協同組合年」です。世界には約300万の協同組合と10億人以上の組合員が、そして、日本にも約4万の協同組合と延べ1億人以上の組合員の仲間がいます。仲間たちとの「協同の力」によって、あらゆる課題を前向きに解決する契機の年にしてまいります。
本年は、巳年です。へびは脱皮をすることから、「成長と再生」を連想させ、新たな挑戦にとって良い年とされています。また、巳年の「巳」の字には、草木の成長が極限に達した状態とも言われており、令和7年は、新たな挑戦やこれまでの取り組みが豊かな実を結ぶものと願っております。令和6年12月、全中は創立70年を迎えました。この間、様々な課題に直面しながらも、組合員、地域の皆様、JAグループ役職員が力を合わせ、それを乗り越えてきました。その中で全中は、代表・総合調整・経営相談機能を遺憾なく発揮してきたという自負があります。これからも全中が、農業・地域・JAグループの取り組みを前に進め、道をひらいていく決意を申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願いします。
令和7年1月9日 JA全中定例記者会見より