会長メッセージ

全国農業協同組合中央会 会長 奥野長衛

日本農業が成長産業になるために

5月16日、初来日した国際協同組合同盟(ICA)のモニク・ルルー新会長とお会いして、世界の協同組合運動のなかで、農業分野でしっかり役割を果たしたいと感じました。5月4~6日、ザンビアで開催された世界農業者機構(WFO)総会に出席した際、アフリカの小さな国の方から「我々は一生懸命やっているが、小規模農家ばかりで、どうしたらよいのか」と尋ねられ、私は「まずは協同組合をつくりましょう」と答えました。途上国にとって、協同組合を組成することが大事です。JA全中は、国際協力の一環として、協同組合の組織づくり、人材育成を支援するアジア協同組合振興機関(IDACA)を運営しており、アフリカをはじめとした途上国から多くの研修生を受け入れています。

日本には職能別だけでなく、多様な協同組合があります。格差や貧困等の課題解決に向けて、協同組合間の連携が欠かせない時代になりました。日本にもICAのような協同組合のナショナルセンターを構築すべきと感じています。

日本の人口が減少し続ける見通しのなか、国内消費の拡大は期待できません。農業が成長産業になるため、何をすべきか。JAグループは、伊勢志摩サミットで国際農畜産物を海外の報道関係者にアピールしましたが、有効な武器を持って、輸出など外に打って出ることが必要だと考えます。JAだけでなく、行政など関係者と連携して輸出力強化のため、価格競争力や品質向上の努力を行い、世界で戦う環境を整備していきます。

自己改革を進めていくうえで、生産資材を1円でも安く仕入れていくことは大切ですが、生産者から預かった農畜産物を1円でも高く売っていくことも大切で、全農などと連携して取り組んでいきたいと思います。

6月9日の会長定例会見より

ページトップへ