会長メッセージ

一般社団法人 全国農業協同組合中央会 代表理事会長 中家徹

7月の会見メッセージ

今月に入り、新型コロナの感染が急拡大しており、その勢いは、全国で新規感染者が連日、10万人を超えるまでになっています。
夏休みを控えるなか、農業分野に関わりが深い、飲食業や観光業などへの影響も懸念しています。
また、食料や資源の多くを海外に依存する我が国では、ウクライナ情勢やコロナによる物流の混乱、急激な円安により、食料安定供給のリスクが健在化しています。
特に、肥料・飼料・燃料など営農に欠かすことのできない生産資材価格は過去最高水準まで高騰し、生産現場はかつてない危機的な状況に直面しています。

こうした生産現場の喫緊の課題である、生産資材高騰対策や、将来を見据えた食料安全保障の強化に向けて、政府・与党へ働きかけをすすめるとともに、明日、11時より「緊急全国大会」を開催いたします。
一方、消費者の皆さまには、是非ともこの機会に、食を生み出す農業の実態や課題などについて考えていただきたく、「国民が必要として消費する食料は、できるだけその国で生産する」という「国消国産」の意義などの情報発信をすすめています。
本年も、JAグループサポーターの林修先生や乃木坂46の皆さんなどにご協力いただき、ウェブやSNSを活用したわかりやすい情報発信に取り組んでまいります。
また、料理研究家コウケンテツさんとの連携による「みんなで国消国産クッキング」にもご参加いただき、夏の旬の野菜などを味わっていただきながら、身近な食の未来について考えていただき、農業を応援していただけたらと思います。

さて、JAグループでは、平成26年度より、各JAによる創意工夫ある自己改革の取り組みをスタートさせています。
28年度にその取組状況を調査して以降、着実に進捗しており、令和3年度には、担い手ニーズに応じた個別対応など、過去最高の取組状況となりました。
また、昨年開催した第29回JA全国大会では、「不断の自己改革のさらなる進化」に取り組むことを決議し、自己改革実践サイクルの取り組みを開始しております。
「JA自己改革ニュース」をホームページで公開しておりますが、自己改革実践サイクルとは、組合員との徹底した対話により、「自己改革工程表」をまとめ、PDCAサイクルを通じて着実に自己改革の実践をすすめていくものです。
前段で申し上げたとおり、現在、農業を取り巻く環境は、過去に例がないほどに危機的な状況にありますが、持続可能な食と農の実現に向け、JAグループは生産者と共に、不断の自己改革をすすめてまいります。

7月21日 JA全中定例記者会見より

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