2019年5月15日 JA全中定例記者会見(中家会長挨拶)

 はじめに、5月1日に新しい天皇陛下がご即位されたことにつきまして、JAグループを代表し謹んでお祝い申し上げます。「平成」という時代は災害が多く、また、農業の生産基盤の弱体化に歯止めがかからなかったという思いがあります。新しい「令和」という時代をむかえ、農業・農村の活性化により、日本の未来がよりいっそう明るくなるよう、私どもJAグループも気を引き締めて取り組んでまいりたいと考えています。

 さて、今月末をもって政府の定める農協改革集中推進期間が期限をむかえますが、これまでの自己改革の成果は、着実にあらわれたものと認識しています。例えば、私たちは第27回JA全国大会において、販売品取扱高の拡大をJAグループの共通目標として設定しました。平成26年度には4兆3,300億円だったものが、平成29年度には4兆6,900億円と、3,600億円の増加となりました。このほかにも、すでにお配りしている「JAの活動報告書」のとおり、担い手のニーズに応じた個別対応や生産資材価格引き下げなどでも、着実に成果があらわれていると認識しています。

 また、昨年より、これまでの取り組みの効果を測定し、さらなる改善につなげることを目的に、原則として全組合員を対象としたアンケート調査に取り組んでいるところです。公表は検討中ですが、集計時期は今年8月頃に中間報告を、来年5月頃に最終報告を予定しています。農協改革集中推進期間は一つの通過点であり、組合員や地域住民の皆様にとって無くてはならない必要な組織であり続けるよう、私たちJAグループの自己改革に終わりはありません。今後とも「不断」の取り組みを続けてまいります。

 ところで、きたる参議院議員選挙にむけ、各政党の公約づくりが活発化しています。私たちはJAグループの政策提案が反映されるよう、与党への要請等を強化してきました。4月に開催した政策確立全国大会では、出席議員の方々より自己改革をご評価いただきましたし、自民党の二階幹事長からは、准組合員の事業利用規制については組合員調査の結果で決めるべきとのご発言をいただいたところです。

 先日、JICA(国際協力機構)との連携協力に向けた基本協定を締結しましたが、JAグループや日本の「総合農協」というビジネスモデルについては、このたび開催されたG20新潟農相会合でも高い評価をいただいたところです。閣僚宣言の附属文書としてまとめられた各国の事例集で、わが国からは、JAグループの国際協力機関であるアジア農協振興機関(IDACA)による、途上国の農民組織の育成・強化の取り組みが紹介されました。

 そして、閣僚宣言が発表された翌日には、タイ王国の農業・協同組合大臣に、JA千葉みらいの直売所をご視察いただきました。大臣にはJAの直売所の仕組みを高く評価いただき、タイでも参考にしたいとの言葉をいただいたと聞いています。JAグループが有する農業・農村に関する知見を、今後も積極的に国際協力に活かしていきたいと考えています。

以上
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