2019年7月4日 JA全中定例記者会見(中家会長挨拶)
農協改革集中推進期間が5月末に終了し、それをふまえて6月には規制改革実施計画も閣議決定されたところです。私たちJAグループは「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」という3つの基本目標を中心とした、自己改革の実践に引き続き取り組んでいます。そして、これらの取り組みは、食料安全保障の確立にも資するものだと考えています。
そうしたなかで、本日、参議院議員選挙が公示されました。私たちとしては、こうした機会を通じて、JAグループをはじめ協同組合の役割発揮に資する政策や、食料安全保障の確立に関する政策など、農政の議論が活発になることを期待しています。
さて、本日の理事会で「JAグループ災害対策中央本部」を設置しましたので、ご報告させていただきます。国内の災害発生状況をみますと、昨年だけでも大阪北部地震や北海道胆振東部地震、西日本豪雨など、全国で大きな災害が発生しました。さらに、先月も新潟県・山形県において地震がありましたし、先日からは九州を中心として大雨被害が出ています。そして、これからの時期は、台風や集中豪雨による災害も懸念されています。
これまでJAグループでは、災害が発生するつど対策本部を設置し、対応に当たってきました。具体的には、JAグループ支援隊の派遣があります。支援隊は全国のJAグループ役職員から構成され、熊本地震では停電した選果場で出荷作業を手伝ったり、西日本豪雨では土砂で埋まった農地の復旧に取り組むなどの支援活動を展開してきました。こうした活動は、組合員はもとより、地域住民の方々にも高い評価をいただいており、まさに助け合いの組織である協同組合だからこそできることだと考えています。
こうした災害発生時の対応を、より迅速かつ効果的に行う観点から、本日、常設の災害対策本部を設置したところです。詳細は別紙の通りですが、JAグループとしては引き続き、組織の力を生かして、万が一災害が発生したときには、迅速に復旧・復興にむけた支援活動を展開していく所存です。
また、7月の第一土曜日は、国連が認定する国際デーのひとつである「国際協同組合デー」です。国際協同組合デーは1923年から続くもので、今年で97回目を迎えます。今年のテーマは「協同組合は働きがいのある人間らしい仕事『ディーセント・ワーク』を実現します」となっています。これは、SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」などにも結びつきます。JAグループとしましても、農福連携や高齢者対策に取り組んでおり、働きがいのある人間らしい仕事の実現を目指しているところです。
そして、私が会長を務める日本協同組合連携機構(JCA)では、7月9日に有楽町の朝日ホールで「国際協同組合デー記念中央集会」を開催することとしています。JCAは昨年4月に発足し、協同組合が「持続可能な地域のよりよいくらし・仕事づくり」に一層貢献していけるよう、様々な協同組合の連携をすすめています。今後、わが国のほぼすべての協同組合の全国組織が、私たちの仲間になる予定です。
以上