東日本大震災から7年が経とうとしている。我々JAグループは震災の当日から、対策本部を設置し、様々な支援を行ってきた。被災地への物資の供給、支援体制の構築に加え、東京電力福島第一原子力発電所の事故による損害賠償対策など、現在も支援を続けている。JAグループによる復興・再建義援金は約100億円、組合員・役職員による募金は約19億円となった。
東日本大震災で特徴的なのが、原発事故の損害賠償対策だ。農畜産物の出荷停止や風評被害による価格暴落など、生産者が被った損害賠償を速やかに進めるために、各県の損害を全国協議会が取りまとめ、東京電力との交渉を進めるスキームを構築した。それまでJAには出荷しなかったり、お付き合いがなかったりした生産者も含めて、損害賠償請求のお手伝いをした。いち早くJAが窓口になり、前面に立って東電と交渉を行った結果、迅速に補償金を届けることができたのだ。
JA共済は被害を受けた家屋再建のため、査定要員を全国から現地に派遣して共済金の支払いを速やかに行うことができた。
また、全国から被災地へのボランティアを募るため、「JAグループ支援隊」を編成し、他県や全国組織から職員を派遣する取り組みも展開した。私の地元・和歌山県JA紀南の職員も派遣したが、帰任後、彼らは涙ながらに現地の様子を報告してくれた。JAの相互扶助の精神を被災地の現場で身をもって体験したようだ。