2019年3月8日 JA全中定例記者会見(中家会長挨拶)

 本日は全中の通常総会を開催し、平成31年度事業計画や予算等についてご承認をいただきました。JA全中の組織変更に関しましては、これまで地区別組合長会議や正副会長による全県訪問などを通じて、会員JAとも議論を重ねてきたところでありますが、本日、承認をいただきました。これにより9月30日にJA全中は農協法に規定された中央会から、一般社団法人法にもとづく一般社団法人へ移行することが正式に組織決定されました。

 組織形態は変わっても、本来の中央会の機能である代表機能、総合調整機能、相談機能などは引き続き、JA全中に必要とされる機能だと考えています。JAグループの代表として、会員から求められる役割を果たし、従来にも増して存在価値のある組織となっていきたいと考えています。

 また、昨日は第28回JA全国大会を開催し、大会議案を決議しました。今回の大会は今までと異なり、先に都道府県大会を開催し、それをふまえて全国大会を開催しました。農業を取り巻く環境が、規模や地域、作目別に多様化しているなかで、まず県大会を先に開催できたことは、その地域に合った独自色を打ち出せた点でも、非常に良かったと思っています。

 また、今大会では「自己改革の見える化」もきわめて重要なポイントでした。今般「JAの活動報告書」をまとめましたが、これまで取り組んできた自己改革を、具体的な数値で皆様にお示しすることができました。例えば肥料・農薬価格の引き下げについては、1JAあたりの平均価格低減率が、肥料では6.9%、農薬では4.3%となりました。こうした点は自己改革の具体的成果として、評価しているところです。

 農協改革集中推進期間は一つの通過点です。今後とも、組合員や地域住民の方々にとって、なくてはならない組織であり続けるために、大会決議をふまえ、JAグループは不断の改革を続けていく所存です。

 さて、本日の総会では「食料安全保障を柱とする基本政策の確立に向けた特別決議」を決議しました。また、先日の理事会では、「『持続可能な食と地域づくり』に向けたJAグループの取り組みと提案」も決定したところです。今年はおおむね5年ごとの食料・農業・農村基本計画の見直しの年にあたり、昨年から食料安保の議論を組織で協議してきました。

 私は今ほど食料安保のリスクが大きくなっているときは無いと考えており、今こそ国民の皆様とともに議論する時だという思いがあります。食料自給率の低迷、生産基盤の弱体化、災害の多発、世界的な人口増大、進展する国際化。いずれもが従来より増幅し、リスクが高まっていると思います。

 食料安保は農業者だけの問題ではなく国民全体の問題として、皆様に現状をご理解いただき、農業・農村を支えたいと思っていただける環境づくりに取り組むほか、他団体との話し合いやシンポジウムなど、様々な機会も捉えてまいりたいと考えています。現行の食料・農業・農村基本計画の法律でも安定供給は明記されていますが、この中心に食料安保の確立を入れていきたいと考えています。

以上
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