2019年10月3日 JA全中定例記者会見(中家会長挨拶)

 JA全中は9月30日に「一般社団法人 全国農業協同組合中央会」として、新たにスタートを切りました。JA全中は会員の願いである農業振興と、豊かで暮らしやすい地域社会の実現に向け、JAの結集軸として、「代表機能」「総合調整機能」「経営相談機能」を、役職員一丸となって果たしていきたいと思っています。会員からの期待も高く、一般社団法人移行後も、全ての会員に継続して会員となっていただいています。課題山積のなかで、私たちの役割はますます大きくなりますし、これからも会員の声を聞きながら、求められる機能を発揮していきたいと思っているところです。

 特に、JAグループ全体で取り組んでいる自己改革の推進は、JA全中に求められている大きな機能です。一社全中のスタートとともに、JAグループの自己改革を一層後押しするための部署を独立させる機構改革も行ったところです。現在、JA全中では、第28回JA全国大会決議の今年度の実践状況をとりまとめる全JA調査を行っています。

 結果は集計中でまだ確定した数字は公表できませんが、速報値の段階では自己改革関連施策について、大半の項目で、具体的に取り組んでいると回答したJAの割合が増加しています。また、生産資材価格の引き下げと低コスト生産技術の確立・普及につきましても、ほぼ全ての項目で、何らかの取り組みを行っていると回答したJAの割合が増加しています。

 例えば昨今、社会的な関心が高いスマート農業に関しては、農家への導入支援や活用に取り組んでいると答えたJAが200近くにのぼっています。こうした新技術の導入は、地帯や作目によって状況が異なりますので、全中としては、地域の特徴に応じた適切な優良事例を横展開するなどして、JAの自己改革を支援してまいりたいと考えています。この調査の結果については、年度内に数字を確定させたうえで、活動報告書などを通じて広くお知らせしていきます。

 さて、先日、日米首脳会談により、日米貿易交渉の最終合意が確認されました。公表された合意内容に対する所感などは、9月26日の談話のとおりで、昨年9月の日米共同声明の内容をふまえた結論を得ることになったものと受け止めています。コメについては、米国への関税割当枠の設置が見送られることとなり、生産現場は安心できるものと考えています。

 最後に、この9月も残念ながら様々な災害が発生し、多くの方が被災されました。心よりお見舞い申し上げます。地元からは、激甚災害への指定を求める声が上がっていますが、政府・与党は一連の災害を指定する方向であると聞いており、対応に感謝申し上げます。JAグループは協同の力を発揮して、被災した組合員・地域・JAのために、人的・物的の両面から支援を行っています。

 人的支援について、特に被害の大きかった千葉県では、すでに県内のJA・連合会が、役職員を支援隊として組織し、被災地域に派遣しています。10月7日からは、全国団体の役職員を中心に構成されるJAグループ支援隊を被災地域に派遣し、復旧作業にあたる予定です。まずは距離的にも派遣しやすい全国団体から取り組みを開始し、今後、関東地方や全国のJAからも支援隊を募ることを検討しています。

 また、物的支援について、9月30日からは、九州北部豪雨と台風15号で大きな被害があった佐賀県や千葉県に対して、早期の営農復旧等に向けたJAグループの支援募金の取り組みも開始しました。JAは助け合いの組織であり、被災地の一日も早い復旧・復興に、全力を尽くしてまいります。

以上

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