2020年6月4日 JA全中定例記者会見(中家会長挨拶)

 はじめに、新型コロナウイルス感染症により影響を受けられている皆様に、心からお見舞い申し上げます。

 緊急事態宣言が解除されて、令和2年度最初の会見となりましたが、依然として予断を許さない状況だと認識しています。まずは新型コロナウイルスの感染が続くなかで、治療に当たられている医療従事者の方々、滞りなく食料を届けてくださる物流・小売関係者の方々、そして生産者の方々に、厚く御礼申し上げます。

 JAグループには、医療事業を行っているJA厚生連があります。全国32の都道県郡に105の病院、59の診療所を展開していて、感染症指定医療機関に指定されている病院もあります。いまも5万人以上の厚生連職員が日夜、献身的に医療へ従事されており、深く敬意を表したいと思います。

 JAグループでは、こうした地域医療を支える厚生連病院を守り、医療従事者を支援するとともに、新型コロナウイルスの第2波・第3波が警戒されるなかで、万が一さらなる感染拡大が発生した場合に備えて、医療従事者が安心して業務を行える環境づくりを目的として、明日から「新型コロナウイルス感染症対策JAグループ地域医療支援募金」の取り組みを開始することとしました。

 詳細は資料のとおりですが、いただいた募金は厚生連の全国機関であるJA全厚連を通じて、厚生連病院職員への支援や、医療資材の購入に充てることとしています。

 医療関係者への偏見や差別も起きているとの報道もなされていますが、コロナ禍からの再生にあたっては、JAグループが一丸となって、地域社会から期待されている役割を果たすことが必要であり、この募金の取り組みが、医療現場や医療関係者への正しい理解と感謝の輪を広げ、安心して業務を行える環境づくりの一助になることを願っています。

 そして、新型コロナウイルスの影響で、学校休校や営業自粛、外国人観光客の激減などにより需要が大きく減少している品目があります。全国のJAでは創意工夫して、消費拡大や感染予防に関する取り組みを行っているので、紹介させていただきます。

 例えば福島県のJA会津よつばでは、直売所から宅配便で野菜と、今なら無料で牛乳がセットで届く取り組みを行っていて、外出自粛のなかで非常に好評をいただいています。

 また、岐阜県のJAひだは、価格下落に苦しむ飛騨牛の生産者や精肉店を支援するために、クラウドファンディングに取り組み、1億円以上が集まりました。クラウドファンディングは現在、JAおきなわでも実施中です。

 感染予防の観点からは、東京都のJAマインズなどが、ビニールハウスを建てるときに余ったビニールを活用して、飛沫防止シートを手づくりするなど、限りある資材を有効活用しています。

 栃木県のJAうつのみやでは地元自治体と連携して、農業用ビニールシートを使った防護服を製作しています。

 ここでご紹介したのはあくまでも一例ですが、全国のJAが、あるものを活用したり、あるいは前例のない新しい発想で、生産者と消費者の双方から求められる機能を、最大限発揮しています。

 厳しい情勢が続いていますが、JAグループは引き続き、食料の安定供給に万全を期すとともに、地域のインフラとしての役割発揮を果たせるように、総合力を生かしてまいります。

以上

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