2020年11月5日 JA全中定例記者会見(中家会長挨拶)

 先週、10月15日時点の作況が99と公表されましたが、101から下がったとはいえ、今後の米の需給見通しについては、新型コロナウイルスの影響などにより業務用を中心に需要が減少し、来年産の需給均衡に向けては40万トン近い主食用米の減産が必要な状況となっています。この減産の数字は、生産量で例えれば東北の主産県1県分とほぼ同じであり、過去に例が無い衝撃的な数字です。
 先般、JAグループ自らの取り組みとして20万トンの主食用米を長期・計画的に販売することを表明しましたが、JAグループ全体の集荷はおよそ300万トンであり、40万トン近い減産がJAグループだけの取り組みではいかに限界があるか、ご理解いただけるのではないかと思います。
 このため、行政・稲作経営者・集荷団体・実需者など関係者と一体となって取り組みをすすめるためのきっかけづくりとして、11月18日に全国フォーラムの開催を予定しています。

 さて、これまでも申し上げているとおり、主食用米の生産でJAグループは需要に応じた生産を強化してきましたが、それは生産者のためだけではなく米の安定供給にも欠かせない取り組みであり、消費者の皆様にもメリットがあるものと考えています。
 各地の水田農業の崩壊は、洪水防止機能などのいわゆる多面的機能の低下にとどまらず、地域の経済・社会にも悪影響を及ぼすことが想定されます。いまこそ、コロナ禍などをふまえた水田農業の将来を見すえた取り組みがきわめて重要なときです。

 また、菅総理大臣は所信表明演説などの機会に、日本の農林水産物・食品の輸出に力を入れていくと発信されています。JAグループではこれまでも、輸出拡大による生産基盤の強化と生産者の所得向上を目指し、牛肉や果実、米などの輸出に取り組んでまいりました。
 今般、あらためてJA全農や農林中金も含めグループ一体となって輸出拡大に取り組んでいくこととあわせ、関係業界とも連携したオールジャパンでの取り組みにも参画してまいります。
 この件について本日(11月5日)、野上農林水産大臣に面会し説明を行います。

 JAグループでは全国各組織の共通の意思を決定し、組織内外に表明することを目的に、3年ごとにJA全国大会を開催しています。平成31年3月には第28回JA全国大会を開催し「創造的自己改革の実践 ~組合員とともに農業・地域の未来を拓く~」として、環境変化に対応し自己改革の実践を通じて、事業モデルの転換などはかることを決議しましたが、この実践期間は令和3年度までとなっています。
 このため、令和4年度から3年間を実践期間とする第29回JA全国大会を令和3年10月に開催予定です。県域・JAにおいては、共通方針となる全国大会の決議をふまえ、それぞれの課題をふまえた実践策を検討し、県大会議案やJAの中期計画などの策定・実践に取り組んでいきます。
 第29回JA全国大会の議案検討にあたっては、社会の環境変化等もふまえつつ、今後10年程度の長期ビジョンを見通す中で、JAグループのめざす姿を整理し、その実現に向け、総合事業を前提とした、持続可能な「農業生産基盤」、「組織基盤」、「経営基盤」など、直面する課題に対応していくための共通の取り組み方針を提起してまいります。

 最後に、お配りしている自己改革ニュースレターについて、今年度下期から自己改革のうち「所得増大」や「地域活性化」に関する様々な取り組みの情報発信を開始しています。今月は、JAの労働力支援を通じて様々な連携をすすめ、農業関係人口も拡大する取り組み事例をご紹介しています。
 コロナ禍において改めて、こうした地域での助け合いの取り組みが重要となっています。あわせて、国民が必要とし消費する食料は、その国で生産することが基本であるという「国消国産」の考え方について、食料安全保障の強化や食料自給率の向上から、情報発信を強化してまいりたいと思います。

以上

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