マイブレンド肥料手応え 芸北あきたこまち良質米クラブ - JA広島市

食味値向上へタンパク質含量抑制 

 地域農業を魅力ある産業にしようと北広島町芸北地域の農業法人や大型農家ら生産者11人が今年2月に立ち上げた「芸北あきたこまち良質米クラブ」。栽培方法や米の等級、食味値の基準など詳細を取り扱い要領に定め、延べ18ヘクタールで同地域の主要品種「あきたこまち」の良質米生産に取り組んでいる。
 

収量と食味値など 品質の両立へ

 9月上旬には4カ所の展示圃場(ほじょう)で、JA広島市やJA全農ひろしま、行政の担当者がかん長や穂長、穂数などのデータ収集とサンプル採取など収量調査を行った。
 昨年、同クラブ設立に向け設置した展示圃場で栽培した2019年産の米は、出穂後の悪天候から、米の食味値が設定の基準値より下回った。そのため、今年も新たにマイブレンド肥料を作り、タンパク質含量を抑える肥料体系に改良。その結果、今年の出来は上々で、順調に生育が進んでいる。
 同クラブの山田勝則さんは「昨年と同じ肥料体系の展示圃に比べ、明らかに出来が良い」と新たに取り組んだ肥料体系に手応えを感じていた。
 今後、同クラブでは、収量調査でサンプリングしたもみを玄米にして整粒や形質、未熟粒などの割合を調べるとともに食味分析も行い、収量と食味値など品質の両立を進めていく。
 同クラブの小川和夫会長は「8月の猛暑の影響もあり圃場全体の色付きは良くないが、マイブレンド肥料を施用した圃場では一定の成果が見られた。課題は残るが農業所得の増大に向け、改善を続けたい」と話していた。(日本農業新聞2020年9月22日付県版広島より)