イチジク 初の販売1億円突破 - JAわかやま

果樹複合経営の柱に

 JAわかやまのイチジク部会は、2019年産の販売金額が1億625万円となり、初めて1億円を突破した。JA管内の和歌山市山東地区の生産者が、1975年ごろにイチジク栽培を導入。水稲など他品目からの転換作物として年々拡大している。90年に部会を発足させ、現在は31戸の農家が栽培している。
 農水省の「2015年農林業センサス」によると、和歌山県の生産量は全国2位。JAは県内2位を誇る。19年産の作付面積はハウス、露地合わせて10ヘクタールで生産量は138トン(前年比102%)となった。
 同部会は発足時に、イチジクでは全国でも珍しい「ばら荷受け共同選果」を導入。選果場で一括して選果とパック詰めを行う。作業はJA担当者の指導の下、パートの従業員が行う。生産者は選果場に搬入するだけでよく、栽培管理に注力することを可能とし、高品質安定出荷を実現している。パートを採用することで雇用の創出にも貢献している。
 イチジク部会の中岡誠会長は「1億円を突破できたのは生産者とJAが一丸となって努力した結果と考えている。これを通過点として、イチジクといえば和歌山市といわれるくらいの産地ブランドを確立させていきたい」と意欲を示した。
 JA営農生活部の田中敦幸副課長は「JAはイチジクを果樹複合経営の柱として推奨している。生産者のさらなる所得向上を目指して、栽培環境を支援していきたい」と話す。(日本農業新聞2020年1月7日付ワイド2近畿より)