ホタテ貝殻 使いやすい粒剤に  - JAところ

専用工場が完成 今秋供給

 オホーツク管内JAところなどが出資する第三セクター、北見市の常呂町産業振興公社が建設を進めてきた専用工場が13日に完成した。ホタテの貝殻をこれまでの粉末状から散布しやすい粒状に加工し、土壌改良などに役立てる。4月から試験操業を始める予定だ。
 同公社はホタテ加工事業所から貝殻を受け入れ、粉末状に加工し販売している。炭酸カルシウムやリン酸など、農地改良に有効な成分を含んだ有機石灰で、酸度矯正などに使われる。一方で生産者からは、使い勝手の良い粒状を求める声が上がっていた。
 そのため、同公社は北見工業大学オホーツク農林水産工学連携研究推進センターと連携して、2017年から粒状化への共同研究を始めた。
 昨年7月に廃糖蜜を活用、パン型造粒機を使い粒状化することに成功した。
 新工場は鉄骨造り5階建て。4月10日から試験操業を始め、8時間操業で日量25トンの製造を目指している。実需者への供給は秋から始める計画だ。
 同公社の米山茂樹専務は「これまでの有機質土壌改良剤としての優れた製品特性に加えて、さらに付加価値を高めた粒状での製品供給が可能になった。農家の生産コスト削減につなげ、農家の所得向上に努めたい」と話す。(日本農業新聞2020年3月17日付ワイド2北海道より)