自粛ムードでも彩りを シャクヤク出荷始まる - JA晴れの国岡山

生産者の所得維持へ努力

 中国地方最大のシャクヤク産地のJA晴れの国岡山びほく統括本部管内で3日、初出荷を迎えた。花木生産部会の部会員が高梁市のJA高梁総合センターに、早生品種「華燭の典」と「ラテンドレス」を計350本を持ち込み、岡山市場へ出荷した。草丈、つぼみの大きさは例年通り良好な仕上がり。出荷ピークは5月中旬を見込む。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全国的に花きの消費・価格が低迷。シャクヤクも市場動向が懸念される。同統括本部管内で開く「芍薬フェア」も感染症拡大防止で中止となり、JA選果担当者は「価格低迷は避けられないかもしれない厳しい状況。直売所やオンラインショップでの販売を視野に入れ、生産者の所得維持ができるように努力したい」と先を見据える。
 出荷先の岡山総合花きの福元悟志常務は「大輪に咲くシャクヤクは見応えがある。母の日の贈り物として、自粛ムードの中、彩りを添えてシャクヤクを愛でてほしい」と期待する。
 同管内では約40年前に転作作物としてシャクヤクを導入。部会員45人が24ヘクタールで栽培し、年間約5万本を大阪市場を中心に出荷する。一層の産地化と農業者の所得増大に、JAと備北広域農業普及指導センターは、トンネル被覆栽培や、バイオ苗の導入を進める。(日本農業新聞2020年5月6日付ワイド1中国より)