米収量安定、品質改善へ 水田センサ設置 - JAグリ―ン近江

3カ所で実証 水位、水温、地温を比較計測

  JAグリーン近江は、水稲向け水管理支援システム「水田センサ」3台を導入した。今年は、近年の異常気象(気象変動)で収量や品質に影響が出ているJA酒米部会で栽培している酒造好適米「吟吹雪」と、主食用に栽培している「キヌヒカリ」の圃場(ほじょう)に設置した。
 「吟吹雪」は、山間地域の日野町十禅師と、湖辺地域の東近江市福堂町に各1カ所。「キヌヒカリ」は、中間地域の近江八幡市上畑町で1カ所の合計3カ所を選定し設置している。
 水位、水温、地温(5センチ、10センチ)を比較計測し、専用アプリを登録したスマートフォンとパソコンに自動受信させる。計測数値の観測を、JA営農振興課の中川和正さんが続けている。「水田センサ」は、乾電池(単1を8本)を電源にNTTドコモ回線を使用。9月の収穫直前までの4カ月間設置する。
 中川さんは「データ収集を行い、水稲の収量安定や品質改善に向け、調査・実証を行う。そして、次年度に向けた水稲栽培暦の作成や水稲栽培研修会など、営農指導のさまざまな場面で生かしていきたい」と話す。
 今後は、観測地点を増やし、精度の高い情報を農家組合員に提供していきたいとしている。(日本農業新聞2020年7月11日県版滋賀より)