農福連携へ高床式砂栽培活用 - JA北大阪

取り組み積極的に

 JA北大阪は、就労継続支援A型事業所「きゅら海」の障害のある人を対象に、農地の少ない都市農業向けに同JAが考案した「高床式砂栽培台」で育てたクレソンの収穫体験を行った。同栽培台は体への負担を軽減でき、初心者でも取り組みやすいことから、福祉への貢献にもつなげたい考えだ。

 JAは都市部である管内で、高床式砂栽培システム普及に向けて研究を進めている。栽培台は、縦1・8メートル、横1・2メートル、高さ90センチで、川砂を敷き詰める。水と液肥の混合液をタイマーで自動的に点滴かん水する仕組み。養分は砂の隙間から流れ落ちるため土づくりも不要で、初心者でも取り組みやすい。

 設置や撤去も簡単にできるので、例えば、新規契約待ちの駐車場や庭先の空きスペースなどに設置してもらうことで、農地がない消費者らにも手軽に農業に取り組んでもらえるようにした。栽培台は繊維強化プラスチック(FRP)製で、30年以上使える。

 同栽培台を福祉にも役立てようと、今回は障害のある人を対象に収穫体験を企画。クレソンは、はさみで簡単に収穫できるため、参加者は集中して手際よく作業をしていた。木下昭男組合長は「農福連携を意識した取り組みを積極的に行い、新たな可能性を広げていきたい」と話した。
(2021年6月9 日付  日本農業新聞  ワイド1近畿より)