極早生系統梨 新品種苗木を配布 - JA東びわこ

台風被害回避へ導入検討 

 滋賀県のJA東びわこ彦根梨生産組合は7日、導入を検討する梨新品種の苗木を各生産者に配った。極早生系統の導入で、台風被害の回避につなげることを目指す。生産者ら17人が彦根市の梨園に集まり、計20本ずつを受け取った。
 同組合では、近年8月から9月にかけて猛威を振るう大型台風に悩まされ、2018年には収穫期を迎えた梨約3万玉が落果するなどの被害を受けた。そこで7月下旬から収穫できる極早生種を育成し、台風被害を回避することで所得増大につなげる狙い。
 導入を検討する品種は「はつまる」と「香麗」。各10本ずつを配った。
 「はつまる」は同組合の主力品種「幸水」より20日程度早く収穫でき、果肉が柔らかく、糖度と酸味は「幸水」とほぼ同程度。「香麗」は「幸水」より2週間程度早く収穫でき、果実重は400グラム程度と、極早生としては極めて大玉なのが特徴だ。
 生産者らは3月ごろから順次、苗木を植え付けていく。収穫はおよそ5年後を見込み、「彦根梨」として販売していくかどうか検討するとした。
 同組合の林沼隆組合長は「彦根梨生産組合の将来的な経営安定に向け、JAと共に検討していきたい」と話す。(日本農業新聞2020年2月13日付ワイド2近畿より)