特産「ピオーネ」 霜害越え念願の出荷 - JA阿新

手間2倍も喜び万倍

 JA阿新ぶどう部会は、特産「ピオーネ」の出荷を本格化させている。5月上旬に数十年に1度の霜害を受けたが、JAの栽培講習会を通じて、対処に手を尽くし、出荷量1200トン、販売金額11億円の達成を目指す。
 今年は、新見市内の部会員318人が87ヘクタールで栽培。一部の地域で花穂が出始めた時期に霜害に遭い、今年の再起は難しいと思われたが、生産者は次に芽吹く花穂を信じて畑に通い詰めた。芽かきや花穂の整形など作業に費やした時間は平年の2倍以上に及んだ。
 9日に初出荷し、合計15トンが選果場に集まった。仕上がりは若干小ぶり傾向だが、果粉の乗りが良く、甘味十分で酸味とのバランスも申し分ないという。東京、大阪、姫路、広島、岡山の各市場に出荷し、海外からも引き合いが入る好スタートを切った。
 田中部会長は「最後までしっかり出荷する。国内外でおいしいと喜んでもらえれば苦労が報われる」と消費拡大に期待を寄せた。(日本農業新聞2019年9月15日付エリア中国より)