収穫間近の落果梨 カレーに活用 - JAマインズ

JAが買い取り 生産者の無念を晴らす

 東京都のJAマインズは1月下旬、直売所マインズショップ全店で府中市産の梨を使った「府中市産 梨カレー」の販売を始めた。梨をメインに使ったレトルトカレーの製造は都内で初めて。
 使った梨は、おととしの台風21号の影響で収穫間近に落果した梨で、同市の梨生産者から400キロを集荷。JAが買い取り、粗く擦りおろした冷凍梨ピューレとして1次加工したものだ。
 冷凍保存した梨ピューレを有効活用した商品を、昨年6月から本店地域振興部販売課で検討。家庭で保存できるレトルト食品は消費者のニーズが高く、同市産の梨を長期間味わえることから、梨ピューレを入れたレトルトカレーの開発に取り組むことにした。
 7月にはJA東京アグリパークのイベントで梨ピューレ入りのカレーを試験販売。来場者から好評を得たことで、カレー粉などの製造会社と業務提携し「府中市産 梨カレー」約4200個を製造した。
 商品の箱詰め作業などは同市にある社会福祉法人「ワークセンターこむたん」へ業務委託し、農福連携の商品とした。
 JAの鈴木健課長は「梨を育てた生産者の無念を晴らすことができた。落果梨のフードロス削減と、生産者の所得増大に貢献できてうれしい」と話した。(日本農業新聞2020年2月20日付ワイド1信越より)