桜前線が記録的な速さで北上するなか、新年度を迎え、JAグループ全体で、「不断の自己改革によるさらなる進化」を確認した、第29回JA全国大会決議の実践は2年度目を迎えました。
大会決議の実践は、全国のJAグループ各組織が、組合員との「対話」をどのように重ねていくかが、大きな鍵を握ります。
この数年、新型コロナウイルスの感染拡大により人が集まりにくい状況が続きましたが、ようやく落ち着きつつあります。
今後より一層、全国各地で創意工夫ある自己改革を着実に進めてまいります。
「JAグループの活動報告書」では、農業のさらなる発展や、安心して暮らせる地域社会のためにJAが取り組んでいる事例などをご紹介しています。
その中でも取り上げていますが、私の地元、和歌山県のJA紀南では、中山間地の買い物弱者への支援と地域の見守りを目的に、2016年からAコープ移動スーパーを2台、運行開始いたしました。
その後も組合員や地域住民との「対話」を重ねていくなかで、非常に好評で、要望も強く、現在では、計6台を管内17ルートでの運行へと取り組みを拡大しています。
このように、役職員一人ひとりが、「対話」により組合員や地域住民との結び付きを強めていけば、それが大きな力になります。その力で、これからもJAグループは、社会的課題の解決に役割を発揮してまいります。
さて、未だ収束の見通しが立たないロシアによるウクライナ侵攻、円安の影響などにより、農業生産のための資材価格は高騰・高止まりしています。一方で、農畜産物への販売価格転嫁は難しく、依然として、国内農業は厳しい状況にあります。
JAグループが提唱する「国消国産」は、「国民が必要とし消費する食料は、できるだけその国で生産する」という考え方です。
考えの背景には、命を育む食、そして食を生み出す農業の大切な役割について、消費者の皆様に理解・共感していただき、国産農畜産物をもっと手に取って、もっと召し上がっていただきたいという思いがあります。
4月6日の理事会では、令和5年度の「国消国産」JAグループ統一運動方針を確認しました。お手元にお配りしておりますが、林修先生と連携のうえ作成した資材の他、イベント、広報誌、ウェブ・SNSなどを活用し、JAグループ各組織がそれぞれの工夫のなかで、我が国の食や農の実態について、年間を通じて消費者の皆様へ情報発信を強化してまいります。
あわせて、10・11月を「国消国産月間」として重点月間に設定し、全国のJA直売所やJAタウンを活用したキャンペーンなど、JAグループが一体となった情報発信強化をすすめていく予定です。
また、食料・農業・農村基本法の見直しにあたり、わが国の食料生産を持続可能なものにしていくための政策や仕組みづくりについて、現在も組織内での協議をすすめておりますが、5月11日の本会理事会で政策提案を決定し、翌日12日には政策推進全国大会を開催する予定としており、政府・与党への働きかけを様々行っていく所存です。
最後に、4月6日の理事会で、今年度の本会役員改選の手続きを決定いたしました。
情報は、今後適時、お伝えしてまいります。
令和5年4月6日 JA全中定例記者会見より