会長メッセージ

3月の会長メッセージ

 3月8日に、JA全中臨時総会を開催し、令和6年度の事業計画や予算について、審議・承認いただくとともに、特別決議を行いました。特別決議では、能登半島地震の復旧・復興に向けた支援や、食料安全保障の強化に向けたあらゆる対応など、JAグループ全体で確認を行い、着実な実践をすすめてまいることを確認いたしました。

 令和6年能登半島地震については、2月19日、JAのとの藤田組合長やJA石川県中央会の西沢会長などから協力をうけ、被災現場を訪問しました。実際に、破損した農業用水路や、震災で隆起した水田、全ての家屋が倒壊した集落などを目の当たりにし、まず何よりも、被災地の生活基盤を復旧させることが先決であると、意を強くしたところであります。そして、3月11日には、東日本大震災から13年を迎えますが、こちらもまだ、復興に向けては道半ばであります。引き続き、現地のニーズを丁寧に確認し、JAグループの総力をあげて、「協同の力」の発揮による支援をすすめてまいります。

 次に、食料・農業・農村基本法については、2月27日、関連法も含めた改正案が閣議決定され、通常国会での成立が目指されているところです。改正案においては、JAグループが強く要請してきました「食料安全保障の確保」や「合理的な費用が考慮された合理的な価格の形成」など、その内容が、十分に反映されているものと受け止めています。また、今後は、改正基本法に基づいて、5年に一度策定される、次期「食料・農業・農村基本計画」の検討も予定されております。改正基本法の理念をいかに施策として具体化していくか、JAグループとしては、引き続き、組織内の検討を十分に行い、政策提案などの対応を行ってまいる所存です。このように、本年は、「基本法改正元年」とも言うべき、重要な節目であり、「私たちの国で消費する食べものは、できるだけ、この国で生産する」という「国消国産」を実現するためにも、組織をあげた取り組みを強力に展開してまいります。

 続いて、「JAグループ環境調和型農業取り組み方針」をご紹介します。JAグループが目指す環境調和型農業とは、自然環境・生産者・消費者のいずれにも過度な負担が生じない、バランスの取れた農業であり、環境負荷を低減し持続可能な農業の実現を目指しております。具体的には「化学肥料」「化学農薬」「温室効果ガス」「プラスチック」の削減に重点的に取り組んでまいります。持続可能な農業に向け、生産者はこのような取り組みをすすめてまいりますが、あわせて、消費者の皆様に、環境負荷に配慮された国産農畜産物を積極的に選んでいただけるよう、ご理解・ご協力の呼びかけも行ってまいります。

 最後に、本日3月8日は、国連が定めた「ジェンダー平等を尊重する日」である「国際女性デー」です。また、日本農業においても、3月10日は、政府が定めた「農林水産業で、一層の女性活躍を目指す日」である「農山漁村女性の日」です。JAグループの中では、全国各地の42万人を超える生産者や地域住民が所属するJA女性組織が、食と農を基軸とした様々な活動に取り組んでいます。JA女性組織の皆様が、JAグループを拠りどころとして、一層、活躍していただけるよう、引き続き、応援してまいりたいと考えております。

令和6年3月8日 JA全中定例記者会見より

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