今年のゴールデンウイークは夏日の所が多くありました。そんななか、全国各地で田植えが順調にすすんでいます。地元の鹿児島では、早期水稲栽培がおこなわれており、3月中旬頃に田植えの時期をむかえました。品種や気候によって地域ごとに生育は様々でありますので、各地を訪れた際、その違いを楽しんでいただければ幸いです。
さて、食料・農業・農村基本法の改正について、審議が本格化しておりますが、JAグループでは、法案成立後の次期基本計画の具体化に向け、組織内での検討結果を整理し、5月9日の理事会で、政策提案を決定いたしました。大きなポイントについて4点、申し上げます。1点目は、「食料安全保障の確保に向けた基本政策の確立」です。国内の農業生産の増大を基本とした食料安全保障の確保を政策の柱に、基本政策を確立することとあわせ、基本法改正元年にふさわしい万全な関係予算の確保が不可欠です。2点目は、「次期食料・農業・農村基本計画の実効性の確保」です。次期基本計画の策定にあたり、「全ての」農業者が将来にわたり展望を持って営農に取り組めるよう、実効性のある施策が重要となります。また、食料自給率の向上など、食料安全保障に関する目標を設定し、達成に向けた各種施策の着実な実行が必要です。3点目は、「適正な価格形成の速やかな法制化」です。適正な価格形成の実現に向け、国産農畜産物の再生産に必要なコストが、食料の持続的な供給に要する合理的な費用に含まれることを考慮し、早期の法制化が必要と考えています。最後の4点目は、「全国で老朽化が顕在化している共同利用施設の整備・更新対策」です。これら食料安全保障の確保や、持続可能な農業・地域づくりのための政策確立に向け、5月10日の全国大会などにより、政府・与党への働きかけを強化してまいります。
最後に、JAグループが36年間にわたり無償で、おもにお子さん方へ提供してきているバケツ稲づくりセットをご紹介します。平成元年から今日に至るまでのこの取り組みによって、延べ1,140万セット超、お茶碗にして7万杯以上を配布してきています。本年は、封筒22万セットを、希望される全国の教育機関や個人の方などへお届けしています。また、今年は、人気ゲーム原作のアニメ「天穂(てんすい)のサクナヒメ」とのコラボ企画を新たに検討しています。これは、サクナヒメのテレビアニメ化を記念したものです。サクナヒメは、お米作りを通じて成長するという、大変ユニークな設定で、こうしたコラボ企画などの新たな取り組みを通じて、多くの皆様に、「農」に興味を持っていただくことを大いに期待しています。
令和6年5月9日 JA全中定例記者会見より