会長メッセージ

年頭挨拶<令和7年/2025年>

 今、我が国農業は、歴史的な転換点を迎えております。昨年、四半世紀ぶりに「食料・農業・農村基本法」が改正されました。「食料安全保障の確保」が目的に加えられたことをはじめ、「適正な価格形成」の実現につながる記載や、「多様な農業者の位置付け」など、JAグループが現場から積み上げてきた声を、概ね反映することができました。本年は、この改正基本法に基づき、「新たな食料・農業・農村基本計画」の策定を通じ、施策の具体化と、その裏付けとなる予算の確保を、最重要事項の一つとして、徹底して取り組んでまいります。
 こうしたなか、JAグループは来年度から、第30回JA全国大会決議の実践期間となります。原点である「組合員・地域」とともに、地域の課題や実情などに応じた戦略を策定・実践し、日本の「食」と「農」を支え、豊かなくらしと活力ある地域社会の実現を目指してまいります。

 一方、ウクライナ情勢や急激な円安により端を発した、肥料・飼料・燃料などの資材価格の高騰・高止まりは、依然として続いており、持続可能な農業経営・農業生産をはかるには、コスト増加分を販売価格へ反映し、「適正な価格形成」を実現していかなければなりません。
 そのためには、消費者の皆様に、「食」や「農」の実態を理解いただき、応援いただくことが極めて重要です。「私たちの『国』で『消』費する食べものは、できるだけ、この『国』で生『産』する」という「国消国産」の考えのもと、本年も、JAグループ各組織は一体となって、「国消国産」の意義等に関する情報発信や、国産農畜産物を手に取っていただくための取り組みを強化してまいります。

 さて、本年は、国連が定めた2回目の「国際協同組合年」です。日本、また、地球規模でも自然災害が多発するとともに、社会のあり方が不安定となっていますが、国内、そして、世界の協同組合の仲間とともに、「協同組合の精神」と「協同の力」によって、より良い世界を築いてきたいと考えております。

 最後に、昨年12月、全中が創立して丸70年を迎えました。この間、農業・JAグループは様々な課題に直面しながらも、組合員、地域の皆様、JAグループ役職員が力を合わせ、それを乗り越えてきました。あらためて、感謝申し上げます。
 その中で全中は、代表・総合調整などの機能を遺憾なく発揮してきたという自負があります。これから100周年、さらにその先に向け、引き続き、全中が機能発揮し、農業・地域・JAグループの発展に貢献していく決意を申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

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