会長メッセージ

10月の会長メッセージ

 猛暑の夏が過ぎ去り、秋に入りましたが、台風の接近や線状降水帯の発生による大雨など、全国各地で多くの被害が発生いたしております。被災された全ての皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

 ところで、11月2日は、「都市農業の日」ですが、みなさま、ご存じでしょうか。2015年4月に都市農業振興基本法が成立したことを機に、東京都農業協同組合中央会が日本記念日協会に申請し、制定されました。都市農業は、新鮮な農産物を生産するほか、食や農について学ぶ場となったり、災害時に周辺の住民を守ったりと、大変重要な役割を果たしています。そうした都市農業への理解を進めるため、例えば、JAグループ東京では、食農教育を続けてきており、令和7年も千代田区等の都市部の行政区において、東京産農産物の学校給食への提供を予定しています。都市農業を取り巻く環境は、税制面や、農業振興施策の制限、近隣住民への配慮等、営農を継続するうえで、厳しいものになっています。JAグループとしては、都市農業の振興に向け、地域の方々の理解をいただきながら、次世代の担い手を確保するために、農地維持・生産振興、相続への支援にも取り組んでまいります。

 さて、9月の会見でもご紹介しましたが、JAグループでは、10月、11月を「国消国産月間」と定めています。現在、全国各地において、「私たちの国で消費する食べ物は、できるだけこの国で生産する」という考え方の重要性を、消費者の皆さまに発信し、ご理解をいただく取り組みを重点的に進めているところです。また、10月16日は、国連の「世界食料デー」に合わせて制定した「国消国産の日」です。その日を「国消国産一斉行動日」として、JAグループ各組織において、様々な広報施策を展開いたします。全中も、同日に、イベントを開催予定で、この機会に、消費者の皆さまには、是非とも、食や農の実態をご理解いただき、これからも国産農畜産物を応援いただきたいと考えています。

 さて、令和7年産米について、一部地域での猛暑・渇水の影響による品質や収量の低下は懸念されるものの、生育状況はおおむね順調に推移していると認識しています。JAグループでは、消費者の皆さまに、おいしいお米を安定的にお届けするために、持続可能な米生産に向けた生産者への支援に取り組むとともに、令和7年産米の集荷・販売に取り組んでいるところです。一部の識者の見解において、「令和7年産の米価は、JAグループの概算金が高いことによるもの」、「JAが自らの利益のために概算金を釣り上げている」といった内容が見受けられますが、そのような事実は一切ございません。一方、生産現場では、JAグループ以外の業者がJAの概算金より高い買い取り価格を生産者に提示しているという話を多く聞きます。米の価格は、流通の様々な過程を経て決まるものであります。また、概算金は、生産者の営農の継続と、JAグループとしての安定供給に必要な米の数量確保、消費者の皆さまへの通年での米の安定供給、これらを実現するために、各産地で設定しています。JAグループは、おいしいお米を、生産者も消費者も納得できる価格で安定供給していけるよう、7年産米の集荷・販売に引き続き取り組んでまいります。

令和7年10月9日 JA全中定例記者会見より

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