会長メッセージ

一般社団法人 全国農業協同組合中央会 代表理事会長 中家徹

11月の会長メッセージ

10月は、10月16日の「国消国産の日」を中心に、月全体を「国消国産月間」として、「食料安全保障」の重要性や「国消国産」の意義など、JAグループ全体で重点的に、消費者の皆さまに、情報発信を行ってまいりました。現在も、11月末までの期間、国産農畜産物を実際に手に取っていただけるよう、「JAタウン」を活用した1000万人規模の「国消国産・送料無料キャンペーン」を実施しており、消費者の皆さまに大変好評をいただいております。今後もより一層、消費者の皆さまと一緒に、食と農の未来を考えていただけるよう、そして、国産の農畜産物を手に取り、選んでいただけるよう、情報発信を強化してまいります。

一方、農水省では、「食料・農業・農村基本法」の検証・見直しに向けた議論が本格的に始まりました。基本法制定から20年以上が経過し、わが国の食料・農業・農村をめぐる環境が大きく変化するなか、将来にわたって国民の安全・安心を守るため、国内生産の増大を基本とした、万全な食料・農業・農村政策の確立が必要だと考えております。
来年1月末までに、JAグループ各組織でも議論をすすめ、基本法の見直しにかかる「JAグループの基本的考え方」の案をとりまとめ、それをもとに、農水省の「基本法検証部会」等での発信や、以降の政策提案に反映してまいります。

また、生産現場では、依然として、輸入依存度が高い資材の高騰が続いており、営農継続が危機的に困難な状況にあります。
特に、酪農は、飼料価格の高騰などによる影響が大変厳しく、生産コスト上昇分の一部を販売価格に転嫁させていただくため、今月1日から、生産者団体の生乳販売価格を1キロあたり10円値上げいたしました。コロナ禍を契機とした需要の低迷に加え、現在、直面している資材高騰により、酪農経営はさらなる窮地に陥っています。
メディアの皆さまには、昨年来、酪農の現状を取り上げていただき、生乳・乳製品の消費拡大にご協力いただいているところでありますが、これからもご理解とご協力をよろしくお願いいたします。あわせて、JAグループとしては、引き続き、消費者の皆さまに農畜産物を安定供給するという最大の使命を果たしていくため、国内の農業生産基盤や資源の有効活用も行いながら、資材の確保など、組合員のニーズを踏まえた取り組みや支援をすすめてまいります。

この秋にかけ、コロナの感染防止対策を講じたうえで、農業祭や体験イベントなど、秋の収穫を祝う行事が、コロナ禍以降、3年ぶりに各地で開催されています。年初の記者会見で、今年の一字を「再(さい・ふたたび)」とご紹介しましたが、これまで様々な制約を受けてきた取り組みが徐々に再開し、地域での交流が再び始まっていることを大変嬉しく思います。今後も、JAグループは、地域に根差した協同組合として、組合員や地域住民の声を十分ふまえた組織運営をすすめてまいります。

11月10日 JA全中定例記者会見より

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