台風2号の影響により、各地で記録的な大雨となり、多くの被害も発生しました。被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
さて、5月29日、政府の食料・農業・農村基本法検証部会は、「国民一人一人の食料安全保障」などを基本理念とする中間とりまとめを公表しました。
JAグループは、組織内での協議を重ねて決定した政策提案をもとに、政府・与党への働きかけを続けるとともに、私も検証部会の委員として、全16回、生産現場の実態を発言してまいりました。
中間とりまとめでは、JAグループの考えを概ね反映いただいたものと受け止めておりますが、「適正な価格転嫁の仕組みの構築」の法制化も含め、関連法の整備や政策の具体化に向けて、引き続き、重要な局面が続きます。
ついては、わが国の食料生産が持続可能なものとなるよう、そのための政策や仕組みづくりに向け、これからもJAグループは必要な取り組みをすすめてまいります。
そして、岸田総理を本部長とする、食料安定供給・農林水産業基盤強化本部は、食料・農業・農村基本法見直しの指針となる新たな展開方向として、「平時から食料安全保障の確立を目指す」ことを確認しました。
これは、JAグループが提唱する『国消国産』、「国民が必要として消費する食料は、できるだけその国で生産する」という考え方に通じるものと確信しております。
引き続き、JAグループは、国産の農畜産物を安定して消費者の皆さまにお届けするという使命を果たすとともに、消費者と生産者が、ともに、食と農の未来を考えていけるよう、情報発信を強化してまいります。
次に、6月1日に、規制改革推進会議から政府に提出された答申について、その中では、各JAが具体的な行動を起こし、着実に自己改革を実践しているとの評価をいただきました。
これは、全国各地のJAが取り組んできた自己改革の賜物だと受け止めています。
一方で、常々申し上げているとおり、自己改革に終わりはありません。引き続き、各JAが創意工夫ある自己改革に取り組み、組合員との「対話」を通じ、自己改革実践サイクルを定着させていくことが重要であります。
中央会・連合会も連携して、優良事例の収集、横展開をはかりながら、JAの自己改革を後押ししてまいる所存です。
続いて、「JAグループの協同の力」による募金の取り組みをご紹介します。
まず、鳥インフルエンザについて、令和4年秋以降のシーズンは、これまでにない甚大な被害・影響が生じました。
豚熱での被害もあわせ、これら家畜伝染病の被害にあった産地を支援しようと、全国のJAグループ役職員・青年組織・女性組織などが、募金活動を行いました。
また、令和5年2月、トルコ南東部のシリアとの国境付近を震源とする地震被害の甚大さに鑑み、トルコの協同組合組織の支援などを目的に、同じく、募金活動を行いました。
いずれの募金ともに、1億円ほどの金額が集まり、「JAグループの協同の力」をあらためて、感じたところです。一日も早い復旧・復興に活用いただきたいと考えております。
最後に、ご案内の通り、6月は「牛乳月間」です。牛乳・乳製品には、ぐっすり眠れる効果があると言われています。最近は気温が上がってきており、今後は寝苦しい夜が多くなってきます。朝食の一杯に加えて、お休み前の一杯も習慣にしてみてはいかがでしょうか。
令和5年6月8日 JA全中定例記者会見より