例年、1月の会見では「今年の一字」を発表しており、令和3年の今年の一字は「結」としました。
「結」には5つの意味を込めました。
一番大きな意味は、一日も早く新型コロナウイルスが終結・収束してほしいという思いです。今も首都圏を中心に感染拡大が続き 、本日中にも緊急事態宣言が発令されるという予断を許さない状況にあります。依然として農業分野でもコロナ禍による様々な影響が出ていますが、こうした危機にあるからこそ、国民が必要とし消費する食料はできるだけその国で生産する「国消国産」の考え方の重要性について、国民全体に情報発信していきたいと思います。また、全国のJA厚生連病院では、職員が今も懸命に治療にあたっています。JAグループではこれまで支援募金を行うなどしてきましたが、引き続き組織を挙げて支援していきます。
2点目は結びつきの重要性です。JAグループは「人」の組織ですが、コロナ禍により対面での様々な取り組みが難しい状況にあります。現在JAグループでは、自己改革やそれを支える経営基盤の確立・強化に取り組んでいますが、いずれも組合員の参加・参画、理解・協力があってこそ実現するものです。今年は3年に一度のJA全国大会を開催する年ですが、これを機にJAグループと組合員との結びつきをさらに強固にして、結集力を高めていきたいと考えています。
3点目は実を結ぶということです。昨年の一字「実」でも申し上げましたが、今年も豊穣の一年になること、そしてそれを喜べることを願っています。また、米に関しては、 今年は大幅に主食用米の作付面積を減らし、需要に見合った生産に取り組んでいかなければなりません。JAグループはもちろん、行政、稲作経営者、農業法人など、関係者が一体となって非主食用米への作付転換など、水田農業の将来を見据えた話し合いや取り組みをすすめていくことが重要です。こうした努力が実を結ぶことも願いたいです。
4点目は結(ゆい)の大切さです。田植えで農作業のときに共同で作業を行うことを結田(ゆいた)といいますが、コロナ禍の今だからこそ 、こうした助け合いが大切になってい ます 。対面は難しくとも知恵を出し合っ て、あるいは新しいかたちで、協同組合の精神「万人は一人のために、一人は万人のために」を忘れずに行動する一年でありたいと思います。
最後に、5点目は結果を出していくという決意 です 。しばらくはコロナに耐える時期が続くかもしれませんが、今年の干支の牛のように一歩一歩あゆみを進め、振り返ったときに新たな発展につながる年だったと結べるように、しっかりと結果を出すべく、今年も頑張ってまいります。
1月7日に予定していたJA全中定例記者会見は政府の緊急事態宣言の再発令を受け、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から中止といたしました。会見中止を受け、中家会長のコメントを発表しました。