10月までは夏のような暑さが残る日もありましたが、11月に入り、やっと秋らしい気候が続くようになりました。全国的に農産物の収穫が盛んな時期であり、各地のJAで、収穫祭などのイベントを通じ、地域の皆様と生産者の交流が盛況を呈しています。
さて、令和5年は猛暑により、米の等級低下などがありましたが、先日発表された令和6年産米の作況では、主産地を中心に豊作基調となっております。生産者として、丹精込めた農作業が実を結び、安堵しているところです。米の販売価格は上昇しておりますが、生産に必要な肥料・燃料などは、この数年間で高騰・高止まりしており、持続可能な生産を実現するため、コスト増加分を販売価格へ反映していかなければならない状況にあります。多くの消費者の皆様に、自分たちが生産した農畜産物を召し上がっていただきたく、JAグループは「適正な価格形成」の実現を目指しています。様々な物価上昇が続く状況にありますが、JAグループは生産者に対して生産にかかる支援を行うとともに、「国消国産」の取り組みなど、消費者の皆様にご理解いただけるよう、努力し続けてまいります。
ところで、政府は、我が国農業をめぐる情勢変化をふまえ、食料安全保障の確保などを目的として、令和6年、25年ぶりに食料・農業・農村基本法を改正し、初動5年間を「農業構造転換集中対策期間」と位置づけております。そして今後、臨時国会での令和6年度補正予算の審議や、年末に向け、令和7年度当初予算の議論が本格化することが想定されます。JAグループといたしましては、次期「食料・農業・農村基本計画」において、将来展望をもって営農継続できる施策の方向性と、その裏付けとなる万全な予算措置がはかれるよう、要請内容を整理し、政府・与党への働きかけを強化してまいります。
最後に、JAグループが36年間にわたり、無償で、主にお子さん方へ提供してきているバケツ稲づくりに関するご紹介です。平成元年から合計して、延べ1,160万セット超、毎年、お茶碗にして7万杯以上を配布してきております。来年の田植えに向け、JAグループだけではなく、全国の教育機関や個人の方などへお届けする準備をしておりますが、本日から、人気アニメ「天穂のサクナヒメ」とのコラボキャンペーンを開始いたします。サクナヒメは、お米作りを通じて成長するという、大変ユニークな設定で、こうしたコラボ企画などを通じ、多くの皆様に、農やお米に興味を持っていただければと考えております。
令和6年11月7日 JA全中定例記者会見より