国内では、新型コロナウイルスの感染が拡大していますが、国産農畜産物の供給には現時点で大きな影響は発生していません。安定供給はJAグループにとって重要な社会的使命のひとつです。国民の皆様への使命を果たせるよう、グループを挙げて取り組んで参ります。
しかし、農業の現場では、大きな不安や混乱が広がっています。JA全中では、2月下旬、全国のJA・連合会に緊急調査を行い、農業・農村・JA関係の影響を取りまとめました。
観光客の減少で外食や土産等の需要が減り、農畜産物の消費量が減少しています。特にインバウンド需要が大きかった高価格帯の和牛の価格が大幅に下落しています。学校休校により牛乳をはじめとした給食用に生産された農畜産物を消費者の皆さんに食べて頂きたい。3月に入ってからは、卒業式等の様々なイベントの中止により花の需要も減少しています。
こうした情勢を踏まえ、JAグループでは、生産者への影響を最小限に抑えられるよう、迅速な対応を行って参ります。農家の経営が維持できるよう、政府には支援や対策の要請を行いたいと考えています。
2月末、食料・農業・農村基本計画の骨子案が示されました。飼料自給率を考慮しない食料自給率が示されましたが、食料安全保障という観点からは従来の「カロリーベース自給率」が最も重要であると認識しています。複数の自給率の数字があると、国民は混乱するので、丁寧に説明する必要があります。JAグループが要望している家族農業や中山間地の支援をはじめ、食料安全保障が新たな基本計画に反映され、実践されるよう求めていきたい。
3月6日 JA全中定例記者会見より