会長メッセージ

9月の会長メッセージ

 はじめに、台風10号の影響による突風や記録的な豪雨により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。地元の鹿児島でも、ハウスの損壊や浸水、収穫前の農産物の落果など、大きな被害が出ております。JAグループといたしましては、被害状況の把握に努め、1日も早い復旧へ、現場の声にしっかりと耳をかたむけてまいります。

 さて、令和5年産米の需要が堅調に推移しているなか、様々な要因を背景に、米が品薄となった店舗が一部で発生しています。かねてより申し上げていますが、生産者には、農業を通じて、命を育む取り組みに従事しているという強い思いがあります。そして、JAグループには、「消費者の皆様に安全・安心な農畜産物を安定して供給する」という社会的責任があると自負しております。こうした思いのもと、JAグループは、関係者と連携し、令和6年産米の収穫が前倒しで進んでいる状況をふまえ、集荷・販売を迅速・円滑に進め、消費者の皆様に、安心してお米をお買い求めいただけるよう、誠心誠意、努力してまいります。あわせて、各地のJAからも、新米出荷の情報などを適宜発信してまいります。

 ところで、農業生産に必要なエサ・肥料・燃料などの資材は、この数年間で高騰・高止まりし、現在も、令和2年との比較では3割程度も高い状況にあるのは、皆様ご存じの通りです。こうした状況が続いてしまうと、どれだけ思いを持っていても、持続可能な農業・食料生産を実現することができません。コストの増加分を販売価格へ反映できればよいのですが、一方で、販売価格が上がり続ける状況を望んでいるわけではありません。消費者の皆様に自分たちが生産した食料を召し上がっていただきたく、我々は「国消国産」の考えのもとで、「適正な価格形成」の実現を目指しています。様々な物価上昇が続く状況にありますが、是非とも、我々生産者の思い、そして、食や農の実態を知っていただき、これからも国産農畜産物を選び、召し上がっていただきたいと思っています。その行動のひとつひとつが、日本農業の持続的発展、ひいては食料安全保障に繋がっていくことをご理解いただきたいと考えております。

 さて、8月29日、食料・農業・農村政策審議会の企画部会が開催され、食料・農業・農村基本計画の改正に向けた議論がスタートしました。次期基本計画では、改正基本法をふまえた、実効性ある施策の具体化が極めて重要となります。委員の一員として、引き続き、生産現場の実態をふまえ、議論を続けてまいります。

令和6年9月5日 JA全中定例記者会見より

ページトップへ